レモン。食の場面のどこかで必ず出会う親しみあふれる柑橘。この香りを想像しただけでも私は元気になれるような気がします。私のレモンの香りの印象を漢字で表すと、親(親しみ)・清(フレッシュ)・明(明るい元気の素)でしょうか。
揮発が早く軽く、香水のトップノートにも使われる香りです。
レモンといえば私が真っ先に思い浮かべるのが「香りを良くして美味しくする」ためのものであること。ジャム作りはもちろん、梨や酸味の少ない林檎、サツマイモを美味しく煮るときに欠かせません。さらに「フレッシュな状態を保つ」ためのもの。剥いた林檎が変色しないように一絞り。フライや焼き魚に一絞り。手で魚を食した人のためのフィンガーボウル。そして元気な明るさの象徴でもあります。レモンと蜂蜜といえば、疲れを癒すスタミナ補給源として愛用したものです。
実際、この親しみという印象は安心感をもたらします。アロマテラピー初心者の多くはレモン精油にはまず好感を持つようです。初めて精油という濃厚な香料原液に出会う人にとって、レモン精油(果皮から圧搾されて得られる)は、かぎなれている親しみから好感と信頼がもてるという声をよくききます。
フレッシュで明るい印象も気持ちの切り替えに役立ちます。眠気が覚めた、集中力がアップしたなどとよく言われます。同じ場所にいても気分が明るく切り替えられるならこんなにいいことはありません。
私が強く印象に残っているのは、心臓病で苦しむ余命わずかな90代の祖母が迷わず好きと選んだのがこのレモン精油であったこと。常にいつ襲われるかしれない心臓発作に怯え、できるものなら早く逝きたい、とばかり呟いていた中、私が紹介した数本の精油の中でレモンの香りを選びました。「すうっとして一時不安も忘れていい気分になれるね」。以後毎朝素焼きの皿に数滴垂らして、揮発するレモンの香りを楽しみ、穏やかな時間を過ごせたということでした。
非常時に必ず持っていきたい精油の一つにレモンを加えたいと思う今日この頃です。私自身も妊娠初期のつわりの時期はこの香りに救われたものです。身体が選んだ香りのことは忘れません。
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