2013年11月9日土曜日

青の陰翳・Comme des Garçon Blue Invasion Collection 〜とある映画の色


夏に注目していた
「青」の魅惑・Comme des Garçon Blue Invasion Collection

秋の乾いた空気で香りを試した。

迷路のようなコムデギャルソンの店内で
BLUE ENCENS
BLUE CEDRAT
BLUE SANTAL
3種それぞれひと拭きを専用の試香紙に。

第一印象はまさにネーミングの通りに香り立つ。

ENCENSはクールなインセンス。
冬の冷たい風に似合う。
奥のほうに浮遊するような空気が見えた。

CEDRATはかき鳴らしたギターからこぼれるような残響。
シャープでビター。遠くに切なさ。
イタリアンレモンとヴァージニアシダーの変身。

SANTALはあたたかなサンダルウッド。
パインやジュニパーベリー、ブラックペパーのドライなビター感が
サンダルウッドの甘さや滑らかさを引き出している。

ノートに3枚挟んで1日目。

ボトルの青色面積が最も広い
BLUE ENCENS から
柔らかな甘さが温もっている。

BLUE CEDRATはBLUE ENCENSに比べて香りが弱い。
いちばん早くフェイドアウトしつつあったのは
BLUE SANTALのように感じて
この余韻がボトルの青の面積と関係があるような気がしてくる。

青の秘密。
個性と個性の融合が生む陰翳と衝撃。
衝撃は最初のインパクト、
陰翳はいつまで神秘的にわからないまま存在する。

コムデギャルソンの青の香りからそんなことを感じていたら
思い起こしたフランス映画『ベティ・ブルー』(原題: 37°2 le matin)。
原題にはない「ブルー」がなぜ英題や邦題に使われたのか。
それはわからないけれど、ポスターの色が衝撃的な青だった。
激しくもミステリアス、どこまでも続く果てしない海…
そんな青を全面に用いたこのポスターで
私はこの映画の雰囲気を一目で感じてしまったことを今でも忘れない。

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