2014年8月27日水曜日

イチジクから五感への贈り物

子供の頃
8月も終わりとなると
もぎたてのイチジクを箱一杯にいただいたものでした。

イ・チ・ジ・ク。
この4音は私にとっては
夏から秋への季語そのもの。


この色は
イチジクカラーと呼びたくなるグラデーション。
花の蕾が膨らんだようなかたち。
濃い皮の色の中身は
乳白色と
柔らかなイチジクレッドがリフレイン。

口に含むと
デリケートな香りとともに
きめ細やかなやわらかさと粒々プチプチ。
この、とろけるような触感の中に
ほのかにふんわりとした甘味…

1テンポ遅れつつ
ジンワリと広がる香りは
まさしくイチジク。
この香り、実際には存在しないのに
なぜか
シナモンやヴァニラやココナツを
合わせて想像させてくれます。
ほのかにグリーン、ふわりとヴァニラ、ココナツ、
ゆっくり遠くからシナモンを感じさせてくれたイチジクを
少しの砂糖とともに煮て冷やして一夜置きます。
甘味は一段と口当たりをなめらかにしてくれました。

バターを合わせて加熱すると
引き立つのは香り。

そういえば昨年の初秋も
コチラのイチジクパイを堪能していたのでした。

食べる、ということは
イマジネーションも含めて五感で楽しめるものであり
絶妙のバランスでそうできたときこそ
「美味しい」という幸せを感じられるのでしょう。

生きている限られた時間の中で
こうした食を大切にしたいと
改めておもいます。


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