この「香り」を表すフランス語の代表的なものに
parfum (英語では perfume)
arôme (英語では aroma)
の二つがあります。
これらは
「人にとって快い好ましいにおい」を示すという意味では
重なるところも大きいのですが、語源も違うようですし
フランス語の辞書に書かれてある内容も異なります。
parfum の語源は「煙によって」、
すなわち火をもって燃やすことで感じられた
(何か特別な意味を感じさせるような)イメージを与えた、
という印象を私は感じています。
だからこそそうした香りは
神に捧げられたのかもしれません。
ゆえに私は「香り」を抽象的に示すときに使用したくなります。
arôme については語源は不明ですが
aromates (芳香性植物)からの香り、
コーヒーやワイン、酒類の香り…と
一川周史先生
(その三冊の貴重なご著書から私がフランス語の恩師と尊敬する)
は記されています。
私自身も、アローム、アロマという音の響きからは
人が呼吸とともに体内に入れて感じる総合的な香りの印象というか、
生きるため、食事という本能に直結した感覚が選んだ
「原始的芳香」のニュアンスで感じとっています。
確かにフランス語の辞書(手元にある旺文社プチロワイヤル)でも
parfum は1香り、芳香、2香水、
3アイスクリームなどの風味・フレーバーに続き
4番目に、雰囲気、印象…と記され、意味は広く深いようです。
一方、arôme は1も2もなく
コーヒー・ワインなどの良い香り、芳香、アロマとしか
記されていませんでした。
アロマテラピーという造語のせいで
「アロマ」は「治療」だとまで
極端なことを言われる方がいらっしゃいます。
でも言葉というものは
本来の意味に立ち返って使用されることが必要なときもあります。
さて、そのような想いから、
先月札幌でのAEAJ主催イベントに
多分野に活かす「香り」の価値を伝えるの講演時、
私の頭の中では 「香り」=〈parfum〉をイメージしていました。
それゆえ、講演の中で紹介したスライド資料の中には
次の写真にある、ボードレールの引用文を入れました。
上記は私のiPAD上の資料データを撮影したものです。
視覚に訴える色彩、聴覚に訴える音に対し
嗅覚に訴える香りが parfum 。
そのような経緯から
コチラ で予告し、9月から開校される新スクールの名称は
parfumを英語にしたperfumeを用いることにいたしました。
学長のマレーン・澤田先生の本日のブログ記事のタイトルにある名称がその結果です。
開校が近づきましたら改めてご紹介いたします。
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