十人十色になぞらえて、私のにわか造語。
ホント、厳密にいえばDNAが違うのだから一人ひとり体質も体臭も違い、さらに香りの好みや感じ方もさまざまです。でも。香りのジャンルにおいてこうした背景があるにもかかわらず、個人的な感じ方だけで「香り」というものに偏見がもたれているのもまた事実。
香りのプロとはどんな人なのだろうと考えたとき、香りといっても色々なものがあり、それぞれの価値を客観的に言葉で説明できる人であってほしいと強く願う今日この頃です。
たとえば…。
アロマセラピストという職業に携わる人は、天然香料の一種である精油を主に学び、人のリラクセーションに活用させるプロですが、天然以外のことはそれほど詳しく学ばないにもかかわらず「天然でない」というだけで、合成香料にネガティブな考え方をもたれているケースが良く見られます。
私はアロマテラピーよりも先に、大好きなフレグランスについて勉強しました。調香師という人は様々な香料で素敵なイメージを描ける、まるで画家や音楽家のような人達であると感じました。彼らにとっては天然も合成も同じく創作のための貴重な香料です。ムスクの香りはもとは麝香鹿から得ていましたがその希少性、動物愛護の観点から現在はほとんど合成香料が使用されており、この合成に携わった化学者はノーベル賞を受賞したということもききました。
調香師もアロマセラピストも、手段や用途目的はちがっても、豊かな香りの楽しみ方を提供する上ではそれぞれ重要な役割を果たしていると思います。
私がアロマテラピーの勉強をした理由のひとつは、天然香料についてもっと知りたい、人に直接香りがどんなふうに働きかけるのかを知りたいという好奇心でした。結果、フレグランスしか知らなかったころにくらべて、単一の精油に対してすら、リアルに人によって感受性が大きく違うことも体感でき、人によって心地よい香り方とはどういう状態であるべきなのかを以前より考えるようになったと思います。
自分の好みはさておき、さまざまな香料、香り文化に精通し、それぞれの活用法を必要とする人に言葉で伝え、十人十香に対応できる…目指したいものです。
明日から師走。香水の日とされた10月1日から、私はツイッターで毎月1日に1つずつフレグランスをご紹介してきました。明日はこのブログで何かご紹介したいと思います。
深いところで共鳴しました。
返信削除「十人十香」
この世界に無限にある、
豊かな香りの楽しみ方を
広く伝えていきたいですね。
Yukari Tase
tasekoさま
返信削除共鳴いただき、嬉しく思います。