2018年7月15日日曜日

PARIS - DEAUVILLE の非日常感/LES EAUX DE CHANEL




毎日衣服を着るように私は香りを纏う。まずは自分のために。一人で過ごすときも、外出するかしないかにも関わらず。一日を心地よく、新たな発見に出逢うために。香りが強すぎて支障になることはない。そんな纏い方はできない。香り方は纏う人間次第なのだから。


さほど広くもなく天井も高くない自宅で過ごすときは特に、鼻から遠く、衣服に覆われ、かつ体温の高いウエスト周辺と足首の皮膚にオードトワレを一拭きずつ。じっとしていれば香りをつけたことなど忘れるほど微かなBGMである。ふと立ち上がったり歩いたりした瞬間にふわり漂う。このような纏い方で日々様々なフレグランスと自分の皮膚とが醸し出す香り方を試し、外出時の装いに活かす。


香りを纏うこと自体は私にとって日常であり、特別なことではない。いくつかお気に入りのフレグランスもあるが、同じような香りばかりでは自分にとっての非日常感が薄れて馴染みすぎてしまう。日々自分は違うというのに。そういう気分になるとあえて何も纏わずに数時間過ごしてみる。すると生々しく自分の生き物としての代謝によるにおいを目の当たりにする。やはり何か装いたくなる。



Image de 3 types de parfum imprimé sur du papier de texture souple. 

柔らかな肌理の紙に印刷された3つの香りのイメージ。


この6月に発売された「シャネルの水」こと「レ ゾー ドゥ シャネル」は3種類。気に入ったものがあれば一つサンプルを頂けるというので少し考えた。どれも夏という季節に気分をポジティブにしてくれるものばかり。水のごとく軽やかでありながらも洗練された香り方を期待。

香りの第一印象では

PARIS - DEAUVILLEには、非日常的な空気感。

PARIS - VENISEには、幻想的な柔らかさ。

PARIS - BIARRITZには、鮮烈な透明感。

いずれも魅力的ではあったものの、今回はPARIS - DEAUVILLE を選んでみる。




香りだけが理由ではない。ドーヴィルは私の記憶の中では、ある映画の舞台であり海辺の風景だったが、香りにはそのイメージが見事に裏切られた。他の2箇所はその地のイメージに近い香りだったというのに。そんな意外性を秘めたドーヴィルの香り。バジルの緑っぽさが少なからずマスキュリンな印象を感じさせるのかもしれないが。いや、そんなに単純な香りではない。私はここ数日、先に説明したような纏い方でこの香りを楽しんでいるが、自分から少しひんやりと清々しい風が吹き抜けていくようだ。その清々しさにジェンダーの区別など無い。これはいわゆる従来のフレグランス、というものの概念を超えた香り方。




ゾー ドゥ シャネル

https://www.chanel.com/ja_JP/fragrance-beauty/fragrance/c/les-eaux-de-chanel.html#/home


Les Eaux de Chanel

https://www.chanel.com/fr_FR/parfums-beaute/parfums/c/les-eaux-de-chanel.html#/home



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


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