フレグランスというプロダクトの情報を追いかけていて嬉しいことの一つは、現代の優れたアーティスト、デザイナーを知ることです。嗅覚に訴える匂いそのものをデザインする調香師も偉大ですが、プロダクトとして提示されるために視覚的なデザインは必須。ボトル、パッケージ、ネーミング全てが香りと一体となり五感に訴える存在となります。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて。
2017年夏。イッセイミヤケによる恒例の限定ロードイッセイからも、フランス人グラフィックデザイナーにしてタイポグラファー、フィリップ・アペロワを知ることができました。
最初に見たのは6月のこちらの記事。
Issey Miyake L'Eau d'Issey Summer Editions 2017
06/11/17 by Sandra Raicevic Petrovic
Fragrantica
https://www.fragrantica.com/news/Issey-Miyake-L-Eau-d-Issey-Summer-Editions-2017-9626.html
第一印象は躍動感とモダニティ。まさにブランドからいつも感じていたことそのものです。
衣服は身体の動きと共にある、とはいつも私がイッセイミヤケの服から感じることですが、まさにその「動き」が想像できるロゴタイプ。さらに、視覚素材である布、繊維、色…を新たな方法で再構築しようとする革新性。これもフィリップ・アペロワがタイポグラファーとして追求している姿勢に通じます。英文記事に記されている彼の言葉にも
'Movement is at the center of my work'
とあります。
8月。ブランドからのニュースにより、フィリップ・アペロワの展覧会開催を知りました。
ISSEY MIYAKE PARFUMS: SUMMER FRAGRANCES
2017,08,03
ISSEY MIYAKE
http://www.isseymiyake.com/brand/issey_miyake_parfums.html#news_section
そして展覧会へ。
ロードイッセイ2017のボトルとパッケージ/ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて。まさにアイコニックな香水ボトルを象った文字によるデザイン。
ロラン・バルト生誕100周年記念スカーフ
『恋愛のディスクール・断章』より エルメス 2015/ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて。
なんだか規則的な白ヌキが気になってなんとなくリズムを感じ、バルトの言葉を回想していたのです。8/7ギャラリートークの録画を2階で視聴したところ、このスカーフのデザインプロセスの説明があり、最初の感触と繋がり驚きました。
地下の階段を降りるとこのポスターに出会います。
「パリのアメリカ人」/
ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて。
1951年アカデミー賞受賞の同名映画にインスパイアされ初めてステージ化されたミュージカルのポスターです。形は明らかにパリの象徴ですがなんというか文字のリズムはアメリカンなのですね。
実際に会場でアペロワ作品の数々を遠くから近くから眺めていると、様々な想像が次々に浮かび上がります。ともかく何度も眺めたくなるのです。まずはDNPアートコミュニケーションズ発行の『フィリップ・アペロワ』(世界のグラフィックデザイン 122)を購入してしまいました。
記念すべき2017ロードイッセイの香りも必ず体感したいと思います。
展覧会情報
ギンザ・グラフィック・ギャラリー第361回企画展
Apeloiggg Tokyo フィリップ・アペロワ展
2017年08月7日(月)~09月16日(土)
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000708
東京にて、sawaroma より。
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