2021年11月29日月曜日

未知の光のように香り立つ・STELLAR TIMES / LOUIS VUITTON




開栓したのは

ある、満月の夜。

崇高な香り。

初めてこの香りを試したとき、

既視感のない新鮮な魅力を感じた。

それは、見たことのない光の拡散のよう。

不思議な明るさに導かれて

上へ、前へと進みたくなるような感触。


Ce flacon a été ouvert 

un soir de pleine lune. 

Parfum sublime.

Lorsque j'ai essayé ce parfum 

pour la première fois, 

j'ai ressenti un charme frais 

sans une impression de déjà vu.

C‘est comme diffusion de lumière 

que je n'ai jamais vue.  

On a l'impression de vouloir monter et avancer, 

guidé par la luminosité mystérieuse.




STELLAR TIMES / LOUIS VUITTON



上記ブランドサイトの説明では

オレンジの花、

ウッディなホワイトアンバー、

そしてペルー産バルサムが放つ

甘いバニラノート・・・

と、用いられた素材についても

触れられている。

しかしながら、

それらの素材感が浮き立つこともなく、

それらとは全く異なる

新しい香りへと融合されている。


オレンジの花が持つ明るさや清らかさ、

ホワイトアンバーの懐の深い温もり、

ペルー産バルサムの甘美なヴェール感。

素材が醸しだす抽象的な印象が溶け合い、

新たな立体感を持つ

STELLAR TIMES の香りに

変身したのだろう。




この香りを纏い、

私はいくつかの美術館を訪れ、

未知に出会う楽しさを堪能しながら

ゆったりと心に染み入る

現代アートを鑑賞した。

その一つが

ボイス+パレルモ


・・・

未知既知問わず、現象に対し、

既に正解が用意されているかのように

勝手に理解しようとするよりも、

直面して感じることは何かを意識し、

その背景に何があるのかを

考える方が面白い。

・・・


STELLAR TIMES の香りに出会った時に

意識したことを、「ボイス+パレルモ」を

鑑賞した後にも再認識した。




…écrit par SAWAROMA




2021年11月21日日曜日

LILY OF THE VALLEY & NIGHT SENTED JASMIN / FLORIS




西へと小旅行。
ナチュラルな優雅さをもつ
「リリィ・オブ・ザ・ヴァレ
/フローリス」の香りを纏った。


Un petit voyage vers l'ouest.  
J'ai porté ce parfum de
《LILY OF THE VALLEY / FLORIS》
qui a une élégance naturelle.



こちらでもご紹介した
『フローリス』

フローラルタイプ5種を

ディスカバリーセットで試し、

改めて、初冬の小旅行に纏いたい

2種を選んでいた。





ひんやりとした空気に

明るいながらも凛とした透明感で

静かな優雅さを感じさせる、

「リリィ・オブ・ザ・ヴァレ
/フローリス」。
昼間の時間はこちらで。

夜、ディナーへ向かう際には
柔らかな温もりを
ほんのり華やかに感じさせる
「ナイト・センテッド・ジャスミン」
の香りを選んだ。

今回選んだ2種にはいずれも、
50mlサイズのボトルがある。

クリスマスギフトにも
良いかもしれない。


…écrit par 《sawaroma》


2021年11月13日土曜日

4 parfums rouges 〜 赤の煌めき、華やぎ、立体感、そして暗喩





赤いガラスボトル。

ずっと眺めていたくなる。

綺麗、美しいなどの

言葉では表せない魅力を感じる。

香水瓶にこの色が用いられると、

私はまずは手に取り、その香りを試す。


この秋も、Rouge(赤)と名のつく

フレグランスがデビューした。

L’INTERDIT EAU DE PARFUM ROUGE / GIVENCHY 

ややダークトーンの赤。

「禁断」という名を持つ赤の香り。

とろけるような甘い感触の

奥底から漂うスパイシー感。


ラ コゼット パフュメ 第50回 『香りの専門誌〝PARFUM〟2021年秋号と秋の注目フレグランス 』で紹介した香りの一つである。



さて、私自身は既に、

3本の赤いフレグランスを愛用していた。

今回、それらとともに

新作を含めた4本を撮影してみた。






上から

金色の蓋が眩しい

Baccarat Rouge 540 Extrait de Parfum


ジャスミン、サフラン、アーモンド、

そしてアンバーグリス

温かくてどこか謎めいて。

立ち昇るミネラル感、

凛とした赤の煌めき。


ルージュの香りに温められて ・Baccarat Rouge 540 Extrait de Parfum


その右下、

NARCISO EAU DE PARFUM ROUGE


晩秋の乾いた空気に

見えない優雅な赤のヴェールを。


晩秋に映える赤の香り・NARCISO EAU DE PARFUM ROUGE



新作L’INTERDIT

 EAU DE PARFUM ROUGE / GIVENCHY

の左側に横たわるのが、

ROUGE / COMME des GARÇONS


立体感が生み出す華やかさ。

それは私が常に装いに求めるものでもある。

エッジの効いたトップノートは

辛口ながらもしなやかな香り。

ユニークな香料達が見事に

新しい香りへと変身している。


立体感が生み出す華やかさ・ROUGE / COMME des GARÇONS



赤の表す意味はそれぞれながら、

見えない色という概念を

香りで再現しようとする情熱なしには

生まれなかったと想像した。



ボトルという外観は、香りを表す。




バカラの赤は、

金色と共にあってこそ実現できた。

540度という温度から、

冷たい煌めきの赤が生まれた。

これはやはり特別な日の赤だろう。


ナルシソの赤は、

ブルガリアンローズの持つ

華やかさを追求した。

日常にも、

ところどころに添えたい。


コムデギャルソンの赤は、

意外性という強さが

立体的に、まろやかに漂う。

私が選んだ香り、と

常に意識できる。


そして、

ジバンシイのランテルディは? 


禁断というよりも暗喩。

赤の中に潜む黒の静けさ、

黒の中に秘められた温度のように。

黒の装いにも似合いそうだ。


香りの専門誌『PARFUM 』199号誌面に

L’INTERDIT EAU DE PARFUM ROUGE / GIVENCHY ボトルを添えて撮影してみる。




GIVENCHY L’INTERDIT ・その名の意味は60年前とは違う



…écrit par SAWAROMA




2021年11月3日水曜日

PARISIAN MUSK / MATIERE PREMIERE の きめ細やかなまろやかさに包まれる




PARISIAN MUSK

(パリジャン ムスク)。

緑のイチジクとウッディムスクの

柔らかな香りは、今の私にとって

心地よいものです。 

まず、6mlのボトルを入手しました。


 "PARISIAN MUSK", 

qui a un doux parfum

 de la figue verte et du musk boisé est 

confortable pour moi maintenant.  

Tout d'abord, j'ai eu un flacon de 6ml.






ちょうど入手したばかりの

ニットを着るときに、

うっすらとこの香りに

包まれたいと感じました。

一瞬、ひんやりとした

緑のイチジクを程よい甘さで感じます。

徐々に、きめ細やかな

ウッディムスクの香りが広がり、

センシュアルなまろやかさが漂います。


5日前に香りを吹き付けていただいた

ムエットが今もなお、

こんなになめらかに香るなんて。


ペルー産アンブレッドシードが主原料。

繊細なまろやかさの源でしょう。

バルサミックな官能性と

アニマリックな温かみを持つ

この植物由来の素材は、

しばしば、”vegetable musc”

と呼ばれると聞いたことがありました。


サロン ド パルファン2021では、
初めて伊勢丹新宿店メンズ館1階でも
開催されており、その開催期間は
119日までとなっています。

こちらで見つけたのが、

日本初上陸となるブランド、

MATIERE PREMIERE 

(マティエール プルミエール)です。

そのラインナップについては、

こちら に記載があります。


ブランド名が意味するのは

「原材料、素材」。

私が選んだオードパルファムの名前に

用いられている「PARISIAN」は英語で

「パリ風の」という意味であり、

これを調香したフランス人が

パリらしいムスクの香りを

考えたと思わせるニュアンスを感じます。


ブランドの創業者は、

調香師オーレリアン・ギシャール。

多くの名作フレグランスを手がけてきた

彼が、天然香料素材をより美しく活かした

香りを創造し、香水ファンに届けるために

2019年に創業したそうです。


今回販売されている8種の香りは

100ml6ml2サイズで展開されています。

少量を試したい人にも優雅なイメージで、

との配慮が感じられて嬉しいです。

6mlサイズも端正なボトル、

スプレー用ノズルは別。

詰め替えも可能です。

そして白い箱のきめ細やかな存在感。

5日前のムエットが示すように、

一回のスプレーでもこんなに

しっかりと香りが持続するのですから、

一定期間は楽しめるでしょう。



MATIERE PREMIERE

本国サイトは、こちら から

ご覧いただけます。



…écrit par SAWAROMA