2014年8月13日水曜日

1秒香るだけでも麗しい・Repetto Eau de Parfum



香りの魅力は
一瞬で感じることができるもの。

昨年、コチラ
の記事でもご紹介のレペットが、初のフレグランスを発売して1年目、新たな香りを発表。写真は先月、ブルーベルジャパン株式会社主催イベント会場での展示です。
前作オードトワレのボトルの形は受け継がれていますが、表面は全てフロストに。黒の外箱とともに、一層なめらかで官能的なニュアンスを感じさせる香りを想像させます。





昨年発売されたオードトワレのブログ記事
にもそのボトル写真を載せましたが
クリアなガラスの透明感とはうってかわって
艶かしい新作ボトル。
舞台に向かうプリマドンナの
秘めた熱い想いと緊張感が
紅潮した肌に描く
官能的なオーラさながらに。

レペット公式サイトでは
この新作のイメージを
コチラの動画や文章で表現。
オードトワレの優雅で柔らかな流れを踏襲
これから舞う自らのイメージを
一瞬の決意に秘めて舞台に向かうエトワールさながらの
華やかさと余韻に溢れた香り。

夏に旬を迎えるプラムの鮮やかなフローラルフルーティの旋律が
新たなトップを引き立てて
まろやかな花びらの甘美な舞へ。
包み込まれるようなうっとり感は
オリエンタル調の余韻を深く響かせるアンバー、パチュリ、ヴァニラです。

先月
ちょうどバレエ・リュスのコスチューム展を鑑賞したときに
この香りを纏い、プリマドンナの心に想いを馳せました。

長い髪が風になびく瞬間…
裾がゆるやかに波打つたび…
わずか1秒香るだけでも十分に麗しいオーラが漂いそうです。







2014年8月10日日曜日

TOKYO・涼景

盛夏の東京。

都心で出会った夏の風景。
いずれも
厳しい暑さの中
新作フレグランスの発表会が行われた場所。

6月、六本木にて。
緑と白とブラウンと。




7月の初め。
表参道・骨董通りの夕暮れ。
白い壁、土色のベンチに薔薇の花。




7月も半ば…
青山にて。
ほんのり淡いスカイブルーにベージュと白と深緑。




8月間近。
六本木にて。
浮雲ふわりの空、陽射しに照らされた植物と高層ビル。
パラソルの下、冷えたシャンパンを楽しむ人たち。



いずれも
その日初めて出会った香りの思い出とともに。

2014年8月9日土曜日

香り・arôme・parfum

肯定的に「におい」のことを示す日本語、「香り」。

この「香り」を表すフランス語の代表的なものに
parfum (英語では perfume)
arôme (英語では aroma)

の二つがあります。

これらは
「人にとって快い好ましいにおい」を示すという意味では
重なるところも大きいのですが、語源も違うようですし
フランス語の辞書に書かれてある内容も異なります。

parfum の語源は「煙によって」、
すなわち火をもって燃やすことで感じられた
(何か特別な意味を感じさせるような)イメージを与えた、
という印象を私は感じています。
だからこそそうした香りは
神に捧げられたのかもしれません。
ゆえに私は「香り」を抽象的に示すときに使用したくなります。

arôme については語源は不明ですが
aromates (芳香性植物)からの香り、
コーヒーやワイン、酒類の香り…と
一川周史先生
(その三冊の貴重なご著書から私がフランス語の恩師と尊敬する)
は記されています。
私自身も、アローム、アロマという音の響きからは
人が呼吸とともに体内に入れて感じる総合的な香りの印象というか、
生きるため、食事という本能に直結した感覚が選んだ
「原始的芳香」のニュアンスで感じとっています。

確かにフランス語の辞書(手元にある旺文社プチロワイヤル)でも
parfum は1香り、芳香、2香水、
3アイスクリームなどの風味・フレーバーに続き
4番目に、雰囲気、印象…と記され、意味は広く深いようです。
一方、arôme は1も2もなく
コーヒー・ワインなどの良い香り、芳香、アロマとしか
記されていませんでした。

アロマテラピーという造語のせいで
「アロマ」は「治療」だとまで
極端なことを言われる方がいらっしゃいます。
でも言葉というものは
本来の意味に立ち返って使用されることが必要なときもあります。

さて、そのような想いから、
先月札幌でのAEAJ主催イベントに
多分野に活かす「香り」の価値を伝えるの講演時、
私の頭の中では 「香り」=〈parfum〉をイメージしていました。
それゆえ、講演の中で紹介したスライド資料の中には
次の写真にある、ボードレールの引用文を入れました。


上記は私のiPAD上の資料データを撮影したものです。

視覚に訴える色彩、聴覚に訴える音に対し
嗅覚に訴える香りが parfum 。

そのような経緯から
コチラ で予告し、9月から開校される新スクールの名称は
parfumを英語にしたperfumeを用いることにいたしました。

学長のマレーン・澤田先生の本日のブログ記事のタイトルにある名称がその結果です。

開校が近づきましたら改めてご紹介いたします。


2014年8月8日金曜日

8月8日、ブルーベリーを眺める

昨日買ってきたブルーベリー。
今日の曇り空の自然光では、ブルーというよりグレーに近い。
ブルームがかかった白っぽさ、
グレイッシュでどことなく青みはある微妙な色合いは
同じく有機的で複雑な色味の陶器に合わせてみたくなった。


遠目ではますます黒っぽく
それでいてなにか貴重なもののように見える。

ブルーベリーの外観の面白さは
実の先端の開口部。


五弁の花々が見えた。

宝石のようなこの実を口に含むとまずは
独特の酸味と風味。甘みは極めてほのか。
でもこの独特の風味、
幻のように鼻から抜けていく神秘的な香りを確かめたくて
何粒も何粒も…と。

あとに残る静かな余韻は記憶の中に深く刻まれる。

この、繊細でつかみどころのない魅力が
きっと白いチーズケーキの甘さを引き立てたりするのだろう。

フレグランスでも
このブルーベリーのイメージが活かされた
コチラ が記憶に新しい。

日本ブルーベリー協会によると、なんと今日8月8日はブルーベリーの日だった。


2014年8月7日木曜日

目にも涼やかな愛らしさを・Marc Jacobs Daisy Dream


先月、コチラ のイベント会場には、新作含む数多くのフレグランスが
色調に沿って華やかに展示されているコーナーもありました。こちらでは、パルファム ソムリエールによるコンサルティングも提供されていたのでした。



その中で、目に涼し気なブルーカラーのボトルたちをクローズアップ。


透明感のあるガラス、
シルバーのひんやりとした光沢に加えて
ミッドナイトブルー、マリンブルー、アクアブルー…
手前のアイスブルーは『ライトブルー』のキャップです。

さらに手前には…
思わず手にとってしみじみと眺めたくなってしまった
この愛らしいドリーミーなボトル。


その名も
Marc Jacobs Daisy Dream。
初夏のコチラの記事
Marc Jacobs Daisy Dream
05/08/14 01:50:09 (16 comments)
by: Sanja Pekic
をチェックして、そのソフトなブルーの涼やかさと白い花々とのデコレーションによる可憐さが印象的だったことを思い起こしました。

Top notes: blackberry, pear, grapefruit
Heart: blue wisteria, jasmine, lychee
Base: white wood, musk, coconut water

ということで…
ブルーウィステリアの気品や
ココナッツウォーターの柔らかな余韻が
ふんわりエアリーな夢を感じさせそうです。
まさにDaisy Dream。

日本でも8月13日発売とのこと。
目にも涼やかな愛らしさを。

情報提供
ブルーベル・ジャパン株式会社
香水・化粧品事業本部
カフェデパルファム


2014年8月3日日曜日

旅する気持ちで ・ 広山 均著『グラース慕情』

夏の休日。
旅する気持ちで読んだ一冊。
かつて愛用したフレグランスへ想いをめぐらす記憶の旅、
そして南仏グラースの四季を香りとともに想像する旅。



『グラース慕情』広山 均著 /フレグランスジャーナル社

著者の広山氏によるご講演を、「国際香りと文化の会」や「香りの図書館」主催のテーマで少なくとも3回は拝聴したことがある。私が天然・合成ともに香料の知識を深める機会を得られたのはこの方の恩恵に依るところが大きい。真摯で張りのある落ち着いた語り口が印象的で、何よりも実際にグラースで学ばれた日々で感じられた想いをいきいきと語られた表情は今もよく憶えている。今年80歳を迎えられる広山氏にとって今も慕情として忘れ難い香りへの想いは、多くの読者に香りの魅力の再発見を導く貴重なメッセージとなっている。

慕情。
ゆえに穏やかな語り口が聴こえてくるようであり
ふと開いたどのページから読み始めても香りのタイムスリップができる。
ときにフランス語読みの音のままカタカナになっている言葉に微笑む。

名香を生み出した調香師の創造性について
語られているくだりは特に興味深い。
これといった方法論があるわけではない。
確かなことは
グラースの地に実際に咲く生きた花々の香り、
歴史に残る名香…
こうした本物のお手本を感受できたからこそ
新しい香りのカタチへのインスピレーションから創造へのプロセスが生まれた。
かつてご講演の中でも仰っていたがこうした広山氏の見解には
私も深く同意したい。

2014年8月2日土曜日

白い花の秘密

八月。
真夏の暑さを
目から涼しく感じさせてくれた白い花とグラス。
昼間の光の中では、清楚ですがすがしい。



先月、とあるレストランにて撮影。
この花に香りがあったかどうかは確認していない。
名前も知らないが、私にはその姿から
夜に咲く白い花の香りを想像した。

……夜に咲く白い花。
静かな闇の中、その姿は
昼間より一層妖艶な香りを放ち
受粉を手伝う生物を巧みに誘い生を繋ぐ。
全ての白い花がそうなのかはわからない、けれど
たとえばジャスミン。チューベローズ……。

6月にコチラ に記した『国際香りと文化の会』WEB上の中村祥二氏による連載の夏号が、まさにこうした植物をテーマに興味深く綴られていた。
コチラ トップページから、夏号「夜に香りを強める花」をクリックするとその文章を読むことができる。

風蘭、チューベローズ。
白い花の秘密、夜に香る花の秘密。
その目的に合った花の形状…………。
花の香りに興味のある人であればすぐに引き込まれる内容。

そういえば コチラも白い花だった。なんとなくその形を思い浮かべると、これも夜に香りを強める花なのかもしれない、と想像。