人生は香水のようなものだ。そして
この小説は忘れ難い香水のようだ。
La vie est comme un parfum.
Je pense que ce roman est
comme un parfum inoubliable.
『パフューム』
(原題: The Perfume Collector)
著者: キャスリーン・テッサロ
訳者: 新井 ひろみ
株式会社 ハーパーコリンズ・ジャパン
http://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail.php?product_id=10529
https://m.harpercollins.com/9780062257857/the-perfume-collector
1920年代ニューヨーク~
1950年代パリ、ロンドン、モンテカルロ。シーンが自由な記憶の流れで追われていく。
一気に一読したのは、ミステリーを追い求める好奇心からであり、文章描写から香りを想像する快感に浸りたかったから。
一読してからも最初にもどり、再読しないではいられなかった。ラストノートまで知ってから改めてトップノートを確認したくなる魅力的な香りさながらに。
香りは、記憶の積み重ねが育む感受性によって評価される。人生はまさに記憶が育まれる時間であり舞台である。
生まれてから死ぬまでの人生。
立ち昇ってから消えるまでの香り。
時間の経過によって描かれる。
人と場面と時間。
最初があるから最後もある。
出会いがあるから別れもある。
その一瞬一瞬にどれだけ煌めいたか?それが人の魅力であり香りの魅力でもある。
よく知る名香の名前や
ペンハリガン、ゲラン、バレンシアガといった名称が登場する。
…20世紀前半という時代背景と女性の生き方の変換期。
あえてストーリーについて私は触れない。余計な先入観は要らない。
この表紙からミステリーへの好奇心を抑えられなかったとしたら、それからの楽しみはその人だけのものだから。
…東京にて、『SAWAROMA』より
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