2012年6月29日金曜日

"Manhattan Story" (Akiko Grace)を聴きながら

今日は意外に風がない。
聴取快感を求めてひさしぶりに聴く。
2009年春のライブで初めてその音を聴き、即日購入したCD。



セピア色のフォトに魅かれた。
うっすらとディスクにサインされた日付。

この年の春から夏にかけて、何度聴いたことだろう。
そして、特に一曲目の Libido ~Mediterranean Sundance は
その後何度もライブでも。

スピーディーで繊細。
波のように有機的に音が流れていく…
聴いているうちに、いつしか疲れも忘れた。
気がつくと、香りのように記憶の中で響いている。

極度の疲労から皮膚に発した蕁麻疹が
このCDの風のように流れる音をきいていて
消えていたこともある。
軽やかなのに深く、触覚の奥にも伝わったかのよう。

ゆうべの日経新聞夕刊にグレースさんの連載記事。
J.S.バッハの直筆譜を眺めるのがお好きとのこと。
こんなことが書いてある。

…まるで音の媚薬のありかをしるした宝の地図が、
世紀を超えて演奏者によって封印が解かれるのを
待っているかのようです。…
(From The Backstage 2012,6,28 日経新聞夕刊11面)

バッハの直筆譜からこう感じる彼女は
来る7月9日、日経ホールで行われる日経ミューズサロン〜
クラシック・オン・ジャズ」公演でも、バッハの名作を
モチーフに即興演奏するという。

見えるものから音を感じたり
香りから音を感じたり。
そんなグレースさんと出逢い
本物の香りを本物の音へと表現いただいたときのことを
コチラ にも綴っている。



2012年6月28日木曜日

緑になる前の白…変化を予感させる存在感

一週間に
魅かれて撮影。




生い茂った濃い緑の中にあってひときわ白っぽく繊細な存在感。

この有機的な形から私が想像したのは

…緑の中にたたずむ透かし柄の服を着た女性
…肉眼では見えない、物質の分子構造
…小さないきもの(例えば虫たち)の住居

一週間前には白っぽく見えたものが
今みると緑の前兆を思わせる。

背景あっての見え方。
まるい蕾のようなものが開くのかどうかもわからない。
でもただの白ではなく、変化の予兆たっぷりの存在感。
こんなイメージを香りで表現できたら面白い。

考えてみれば、白は柔軟なカラーである。
透かし、映し、染められる。
刻々と流れる時間の経過によって
いかようにも明度は変わる。
そして、暗いところではひときわ目立つ。
少なくとも人の眼には。

2012年6月26日火曜日

空高く…東京スカイツリー・ ブレンド エッセンシャルオイル

先日、爽やかな女性からいただいた香り。




思わず、空を仰ぎ見たくなる。

シトラスとミントの明るい調和に程よい湿度。
このリアルな上空を思わせる空気感は
ひんやり複数種のミントと
まっすぐ天高く伸びるサイプレスや高野槙の存在感から。

身につける香水のように装うのではなく
これは…
ある一瞬、自分自身が深く吸い込みたくなるような
クリアで爽やかな香り。

東京スカイツリー公認ライセンス商品のひとつ、
ブレンドエッセンシャルオイルはコチラの商品。

夏の蒸し暑さにひとときの涼を与えてくれそうで
お気に入りのうちわにもつけてみたり。


2012年6月23日土曜日

Bulgalia's Essential Oil Industry (ブルガリアの精油産業)講演より

2010年秋に発足、コチラ においても触れた、日本調香技術普及協会主催の講演会で懐かしい方に再会。

講師のヴァルチャン・ヴァルチャノフ氏(ブルガリア共和国大使館商務参事官)は3年前、私がブルガリアに行く前にお会いし取材させていただいた方。
当時も、ブルガリアにとってローズ精油は国にとっての重要な産業であり、その栽培に適した気候条件と土壌に恵まれた上に350年にわたる栽培、抽出、蒸留への開発努力の賜物であるということ、ローズ天然香料輸出国の筆頭であるフランスからはその品質で圧倒的に高い評価を得ていることをうかがっていました。

ちょうど2009年といえば、日本ブルガリア外交復興50周年の年であり、この年にスタートしたブランド「パレチカ」は今も健在。

本日のご講演テーマは
Bulgalia's Essential Oil Industry (ブルガリアの精油産業)。

有名なダマスクローズのみならず、ラヴェンダー、ディル、マツ、クラリセージ、ペパーミント、カモミール、…などの精油生産でも有名なブルガリア。そうです。ちょうど私がブルガリアを訪れたのは7月初旬でしたからラヴェンダーの最盛期で、素晴らしい香りに包まれたことをおぼえています。そのときの様子は、コチラの旅行記
でもご覧いただけます。

現在もローズ精油輸出相手国の筆頭はフランス、次に日本、ドイツ、アメリカ、スイス、中東…とのこと。オーガニックローズ精油はほとんどがアメリカ向け、というのもなかなか興味深いところ。

農業としての栽培のプロ、蒸留技術のプロ、複数の蒸留所から集められてきた抽出したての精油を熟練技術でブレンディングするプロ、品質チェックのプロ、管理のプロ…とこの産業に関わる人材そのものがまさに宝であり、その高品質への真摯な姿勢ゆえに他国からも支持を得ているとの話、聴いているだけでもすがすがしくなります。

1キロのローズ精油を得るために、3トンの花が必要。
1滴0.05mL中に約100個分の薔薇の花の香り。
濃厚かつ、ほどよく高い持続性。
素晴らしい自然の恵みを受けた薔薇の花は、いかに人間の手によってもそんなに急激に大量生産はできないのです。だからこそ貴重。

農業国の誇りを持つ国は、香りにも妥協しない。
そんなことを、かつて訪れたブルガリア
でいただいた食事を思い起こしながらも感じたひとときでした。


2012年6月22日金曜日

"PARFUM" 162号(夏号)発刊

香りの専門誌"PARFUM" 夏号が6月20日に発刊。
好奇心あふれるまなざしが夏の光をまっすぐとらえて。
もうすぐ夏本番を感じさせる表紙です。



今号は、創刊40周年アーカイブ3回目。
コチラ でもご紹介しておりました「匂いを讀む」。’90年代後半5年間にわたり"PARFUM"に連載いただいた吉本隆明氏(2012,3月に亡くなられました)と編集長平田氏との対談ページが掲載されています。

100回目を迎えた「芸術と香水」では
時を旅する詩人、と題してセルジュ ルタンスをクローズアップ。
彼は2007年、フランス共和国文化芸術勲章コマンドゥール受勲。

新たなフレグランスの紹介も魅力的です。
新作香水にみる原点回帰 にてご紹介のセルジュ ルタンス新作、"L'eau froide"( ローフォアッド)や、2010年春デビュー以来人気を誇る "eaudemoiselle"(オードモワゼル) のニュータイプ、ジバンシィ・オードモワゼル フローラル。二種のPR担当者へのインタビュー記事が見開き2ページにて。

5月から始まった「平田幸子の香りスクール」も次回8/20との予告。場所は原宿、メナードビレックサロン内。香り好きな方はぜひいらしてください。



2012年6月21日木曜日

Color of rain

夏至。原宿にて。



ぽつり、ポツリとおちてきた雨が
生い茂った緑の中に見えたような気がした。
近づいてみる。


まさに雨の色。
繊細な淡いブルーの花びらの上にも小さな雫。

こんなふうに透明感のある色に出逢えるのも
雨の季節だから。
真夏が来る前の。

2012年6月20日水曜日

夏が来ると…BASIA

蒸し暑くなってくると、何故か毎年聴きたくなる音楽。




バーシア 。東欧ポーランドに生まれ、アレサ・フランクリンやスティービー・ワンダーというアメリカのアーティストを好んで聴き…バンド活動でロシア、東欧諸国、アメリカ…と巡り結局はイギリスへ。

このひとの歌い方にはどことなく、南の風を感じる、と思ったらブラジルのボサノヴァにも影響を受けているようであるし、とにかく無国籍感が自由で開放的で心地よい。

歌詞の英語はもちろん彼女にとっては外国語。
熱いようでいてどこかクールなのはそのせいか。

彼女の伸びやかで張りのある声と合間った繊細なピアノやギターの流れ、重厚で魂にズンズン響くようなベースのリズムが一体化して独特の空気を醸し出す。
ファーストアルバムは'80年代末発売。当時大学生の私がどんな思いでこのCDを買ったのか全く憶えていないけれど、今となっては有難い。