2002年デビュー。ファビアン・バロンによるボトルデザインは、マーク・ロスコ(抽象主義)とドナルド・ジャド(ミニマルアート)の現代アートにインスパイアされたものだそうです。(香りの専門誌『PARFUM 』No.123の記事より)。
Un parfum sorti en 2002. Le design de ce flacon par Fabian Baron a été inspiré de l'art contemporain par Mark Rothko et Donald Clarence Judd. ( d'un article dans le numéro 123 de《PARFUM 》, le magazine d'information sur les produits parfumés.)
随分時間が経ち、中身の液体自体の香りは変化しても、ボトルの存在感はそのまま。たとえ最後まで使い切ることができなくても、このボトルはずっと眺めて、飾って楽しみたい… CHIC は私にとって貴重な香水瓶コレクションの一つです。
香りの専門誌『PARFUM 』No.123 裏面の広告
あたかも貴重な美術品でもあるかのように、白の紙箱に二重に包まれたボトル。まずは直方体の白い箱を開けると、プラスティックの赤枠に包まれ香りの名前が記された二番目の箱。赤枠をほどくとハラリ。CHIC のボトルが現れます。
キャップ部分のくっきりとした赤。うっすらと滲むようなピンクが本体を縁取ります。液体が流れるたびにオーロラのような印象を感じました。厳選されたものだけが的確に整えられたら、あとは自由な想像を偶発的に楽しむ、大人の洗練。
香り自体も、軽やかでありながらどこかあたたかく、親しみやすいようで複雑な余韻。当時においては確かにボトルのイメージそのものでした。フレッシュなフローラル からヴァニラやムスクのぬくもりへと、さりげなく流れていく程の良さ。
その後そうした香調が世の中に溢れていくにつれ、特別感は薄れてしまいましたが、このボトルの素晴らしさは色褪せることはありません。変わってしまった香りを皮膚につけることはしませんが、時々ムエットに吹き付け、ミドルからベースの名残を楽しんでいます。
…écrit par 《SAWAROMA》
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