数年前の夏
とある街で頂いたベトナム料理。
生春巻き、
フォー、
ジャスミンライス。
芳醇なアジアの米の香りに包まれた、コリアンダー、唐辛子、その他みずみずしい食材。
最後に頂いたのはこちら。
ベトナム珈琲。専用のセットで深く濃く抽出した珈琲にはコンデンスミルク。氷たっぷりのガラスに注いで。デザート要らずの甘さはほろ苦さとともに。
思い浮かべるだけで残暑の疲れが癒される。
黒でも茶でもない、奥にしっかりと赤が見える珈琲色。無機質な白ではなく、ほのかに薔薇色が透けて見えるコンデンスミルク。一体となったときのクリーミィなベトナム珈琲の色と香り。
遠い昔、初めての海外一人旅でフランスに着いたとき、オルリー空港で
"Vous êtes vietnamienne ?"
(あなたはベトナム人ですか?)
ときかれた。あの年配のフランス人男性にとってアジアの人といえばベトナムの人を思い浮かべたのかもしれない。
初級フランス語講師をつとめて10年目になる。昨年の学生にはベトナム出身の女性がいて、彼女からいただいたインスタント・ベトナムコーヒー。どこか懐かしく深い味わいが楽しめる。これも甘くしていただいた方が一段と美味しいらしい。
フランスの影響を受けたベトナムの食文化。最近近所にベトナムパン、バインミーを使った美味しいサンドイッチのお店「FANSI PAN」(豪徳寺)も出来た。フォーも店内で食べられる。
ベトナムといえば、この映画。
『青いパパイヤの香り』(l'odeur de la papaye verte)・1993。夏目漱石の『草枕』を読むきっかけとなった映画でもあった。
…écrit par 《SAWAROMA 》à Tokyo.
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