芥川龍之介。1892年3月1日に生まれ、1927年7月24日に死去。今日は彼の命日である。森 晶麿氏によるこの小説は、文豪というより人間としての芥川に深い愛着を感じさせる。
Ryunosuke Akutagawa. He was born on March 1, 1892 and died on July 24, 1927. Today is his anniversary of death . This novel (written by Mr. Akimaro Mori )makes me feel deep attachment to Akutagawa as human being rather than writer.
先月、『文豪Aの時代錯誤な推理』を一読した。その後一か月というもの、私はずっと芥川の作品を読み続けている。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321801000246/
『杜子春』、『蜘蛛の糸』、『鼻』。小学生の私に衝撃を与えた作品だった。この人の文章は特に最初の一文が忘れられない。心を奪われた香水のトップノートさながらに。
今年5月、『薮の中』を初めて読む。これは究極のミステリーである。これは映画になるなと思ったら、やはり国内外の映画に影響を与えていた。次いで『羅生門』。これは結びの文章が忘れられなかった。
そして先月。『文豪Aの時代錯誤な推理』を読む。彼が1927年7月24日には他界せず、タイムスリップして2018年の現代によみがえるという設定から始まるお話である。
最初に一読したときの私は、まだ『河童』も『或る阿呆の一生』も読んでいなかったので、わからない部分がむしろファンタジーに思えた。
しかし、『河童』も『或る阿呆の一生』も読んだ後となると、色濃くミステリーが漂ってくる。もはや視点は複雑である。再読せずにはいられない。
これからも芥川の作品を一つ読むたびにそうしたくなるのだろう。文豪A。彼がもしもっと長く生きていたら? 彼のような人が現代に生きていたら?
芥川は並外れて嗅覚が敏感という意識を自覚していたに違いない、と気付く。彼の文章からは様々な匂いがする。彼自身による細かな匂いの描写も多い。『河童』や『玄鶴山房』…を読めばわかる。
『文豪Aの時代錯誤な推理』。
こちらも結びの文章が『羅生門』のごとく忘れられない。
ここまで私に芥川を振り返らせてくれた作品に感謝する。
1927年の彼の鋭利な危機感を、現代人こそ再考する必要があるのではないか。
東京にて、sawaroma より。
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