現在自分が愛用するフレグランスを思い浮かべてみると、香りは勿論、そのボトルの形や色彩に魅かれたものばかりです。世界に多くのフレグランスが存在する中でそれら全てを知ることは難しいものの、縁あって出逢えたものから自らの五感の琴線に響いたものは可能な限り試してきました。その入り口となるのは多くの場合、視覚に訴えるヴィジュアルです。
不思議なもので、愛用中のフレグランスをオリジナルボトルからトラベル用にと中身を小さなアトマイザーに移し替えてみると、香りの感じ方まで変わります。いかに視覚的イメージが重要かを再認識するのです。アロマテラピーで用いられる香料素材の一つに過ぎない精油は、品質を損なわないボトルであれば多少異なる瓶に入っていても、フレグランスほどの違いは感じられないというのに。
5月に広島の海の見える杜美術館にて鑑賞した
『香水瓶の至宝~祈りとメッセージ~展』。
http://sawaroma.blogspot.com/2018/05/blog-post.html
いよいよその開催期間は、今週末7月8日(日曜日)までとなりました。
5月の sawaroma 記事には掲載していなかった作品を改めて写真でご紹介します。
展覧会図録の写真を眺め、87ページにも及ぶマルティーヌ・シャザル氏(フランス文化遺産学芸員)による「香りの使われ方の歴史」を読み直してみました。様々な役割の歴史を経て今も世の中で必要とされる「香り」。それは単なる匂い、というものではなく、視覚表現を含むメッセージであり、そうしたことが感受できる人間にとってはかけがえのない芸術品、至宝となり得るものであると痛感するのです。
展覧会図録はこちらより購入することも可能です。
http://www.umam.jp/tablet/publication.html
東京にて、sawaroma より。
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