2012年11月30日金曜日

優れた美術品収集こそが一族の栄誉…『リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝』

昨日、資料の中に大切に挟んでおいたチケットを発見。
開催中に思い起こせてよかった、と改めて感じた展覧会です。



すでに12世紀の歴史に登場するオーストリアの名門貴族リヒテンシュタイン家。
優れた美術品収集こそが一族の栄誉との家訓のもと、500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品が収集されたうち、139点の名品を選りすぐり、日本で初公開される展覧会。これは見逃せません。

上の写真のチケットには
《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》。
クララはルーベンスの娘でありこの肖像は彼女が5歳のときに描かれたものとのこと。展覧会ではこのクララのイメージを表現して調香されたフローラルブーケのフレグランス"CLARA"も特設ショップにて販売されているそうです。

ルーベンス作品10点のほか、ラファエッロ、クラナッハ、レンブラント、ヴァン・ダイクをはじめとする巨匠たちの名画や、華麗な工芸品が一堂に並びます。

さらに素晴らしいのは
ウィーンの夏の離宮での展示様式を取り入れたバロックサロンが設けられ、華やかなバロック宮殿の雰囲気をも体感できること。

詳しくは是非
リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝を。

今回の展覧会の情報は、香りの専門誌 " PARFUM"163号でも紹介されています。


こうした展覧会を眺める楽しさのひとつに
描かれた当時の建築、装飾、服飾などの様式を鑑賞することがあります。
当時描いた画家の心に
何が美として映り、焼き付いたのかを
時を経て
静かに、想像力をめぐらせながらイメージを描く時間。
描かれた作品に感謝せずにはいられません。

2012年11月28日水曜日

ココ・シャネルの言葉より・" COCO NOIR " に寄せて

8月にコチラ にてご紹介の" COCO NOIR "。
講義のために、ビジュアル資料をお借りしました。

その一式の佇まいが
あまりに荘厳で気品に満ちていたので
思わず写真に記録。


黒の表紙を開くと
中には明瞭なフランス語で
シャネル自身の言葉とともに
この香りの背景に流れる物語がしずかに綴られています。

冊子中ほどに現れたのが黄金のミニブック。

" Mademoiselle Chanel à Venise "
(ヴェネチアのマドモアゼル シャネル)

と表紙に刻まれています。
この黄金の表紙をめくると
最初にこう書いてありました。

" Il n' y a pas plus joli qu' une topaze, cette eau dorée "
Gabrielle Chanel
(トパーズほど美しいものはない。まるで金色の水のよう。)
ガブリエル シャネル

トパーズは今月、11月の誕生石です。
11月生まれの私にとって
何よりのプレゼントのような素敵な言葉。

黒に映える黄金。
黄金に映える黒。

流れる明瞭なフランス語。写真。

香りの美を
ここまで研ぎ澄ませた表現と言葉の数々で伝える情熱に
まさにシャネルそのものを感じました。


2012年11月27日火曜日

アロマティック ウッドの香りで・THANNのハンドウオッシュ&ハンドローション

もはや東京は冬。
冷たい風。乾燥した空気。
皮膚から大切な水分も失われていきます。

ここ一週間、手肌の乾燥に特にケアが必要と感じ始めました。

夏の終わりに入手した
アロマティック ウッドの香りのこちらを愛用中。




コチラ にてご紹介のブランド、THANNより8月に発売されたもの。

天然のオレンジ、タンジェリン、ナツメグのブレンドの温かな香りのアロマティック ウッドシリーズは、このブランドの中でも好評らしく、多くのホテルでアメニティとしても使われているそうです。

ハンドウオッシュ(上の写真左)には、オーガニックカミツレエキス、ティートリーエッセンシャルオイルも配合されているとか。透明なジェル状できめ細かいふわふわした泡立ち。ハンドローション(上の写真右)にはコメヌカオイルに加え、オーガニックのシアバター、ホホバオイルも配合。しっとりとした肌へ。手肌だけでなく、顔以外の乾燥した皮膚に塗布すると、乾燥によるかゆみも感じない、と家人も喜んでいました。

一日働いた手を最後に丁寧に洗い、ローションでケア。ほんのり優しい香りとともに一晩眠れば、寒い朝も元気に目覚められそうです。

2012年11月25日日曜日

肌と一体化するジュエリー・ブルガリ ジャスミンノワール レリクシール

9月のブルガリ・フレグランス新作 のうち
黒のボトル、ブルガリ ジャスミンノワール レリクシールの
テスターをお借りしました。




香りの印象。
なめらかです。
静かに佇む花のごとき柔らかな物腰、
抑えた表情にも滲み出る優しさ。

先週、特に忙しい日にあえてこの香りを肌にのせました。
寒い日でしたから今季初めて黒のウールタートルネック
セーターを着たのですがその前にウエストや足もとに。

衣服からわずかに
こぼれるように控え目にフワリ。
香り立ちはほのか。肌そのものの一部になったかのように
違和感なく過ごせたせいでしょうか、
立ち続け、話し通しの目まぐるしい数時間を
心穏やかでいられたと思います。

見えなくても、この日の私にとっては
肌と一体化するジュエリーさながらに
心地よい自信を与えてくれたとおもいます。

アメリカのフレグランスサイトでも調べてみました。
コチラ にその姿があります。

サンバックジャスミンの清楚でありながら柔らかな一面と
チュベローズの控え目な妖艶さが絶妙に調和したミドルノートは
トップとベースにあたたかくつつまれて
まさにこれからの季節にも似合いそうです。

香料の繊細な美が引き出されたフレグランス。
さすがジュエラーブランドとしての品格を感じさせる香りです。

2012年11月22日木曜日

香りの専門誌 "PARFUM" サイト・リニューアル

日本では唯一の香水評論家である平田幸子編集長と出会ったのが22年前。
「パルファム」は、私が初めて文章を活字で掲載いただいた雑誌です。

20数年間の既刊を全て保管している雑誌は
私にとって唯一この専門誌のみ。
いまや貴重な資料であり宝です。
毎号、旬の女性のモードなフォトのみが表紙を飾ります。
余計な文字は一切ありません。

創刊40周年を迎えた昨年12月からはや一年。
私も今年で連載12年を迎えます。

香りの専門誌「パルファム」"PARFUM"のWebサイトが
リニューアルオープン。

そのトップページはコチラ

編集長のブログも加わり
香りのスクール情報も充実しました。

これからも
香りを愛する人たちに
愛される一冊でありますように。

Honolulu Cookie・カタチとフレーバーにいやされて

ハワイのお土産に
Honolulu Cookie をいただきました。



この、なんともいえない
愛らしいパイナップルのかたち。

気がつくと…今日は朝から複数の仕事同時進行で
精神的にも疲れを感じていましたが
このカタチが目にはいり……和みました。

口にすると、バターの香りとフルーツやナッツのフレーバーが
あたたかく、やさしく響くような気がして
夕方までもう一仕事できそうです。

しおりから…いろんな種類の写真にもなごみます。



カタチも実はパイナップルだけではないようですが
コチラ のとおり
フレーバーはかなり色々。ココナッツやコナコーヒーも魅力的。

2012年11月21日水曜日

美濃和紙で「聞く」・花香の囁き

私の講義の中では
さまざまな単一天然香料の香りを「聞く」体験を提供しています。

毎年、その終盤で登場するのが花の香り。
花は植物の生殖のための戦略のかたち・色・香りであり
その香りはきわめて複雑です。

花が咲いているときの自然な状態の香りと違い
精油など
香り成分のみが凝縮されたものは
そのままで香りを聞こうとしても
慣れていない人にとっては、複雑な芳香成分が一気に押し寄せ
強力なものとしてのインパクトに一旦麻痺させられるケース…
あるいはその反動で
数ある複雑な成分の中で記憶にひっかかる特定成分のみが
クローズアップされてしまい
花香全体のイメージが描けない、と訴えられるケースに
よく遭遇します。

「香り」とは
多種の有機化合物である香気成分の集合体が
時間経過に伴う静かなるハーモニーを奏でる音楽のようなもの。
その繊細な存在を全体としてとらえるには
「聞き方」が極めて大切であると私は思います。

昨日の講義では
調香師にとってもアロマセラピストにとっても重要な花香
ネロリ(ビターオレンジ)精油と
ローズオットー(ダマスクローズ)を鑑賞。

香りを聞いていただく媒体は紙。
コチラ にてご紹介の岐阜、美濃にて
サンプルとしていただいた美濃和紙です。
うっすらとした紙ですが、非常に丈夫。自然の透かしが素敵です。

小さくカットしたその和紙に
コチラ の方法にて香りを移しておきました。

結果。
精油原液を直接染み込ませた紙を聞いていただくよりも
花本来のふんわりとした優雅さや
フルーティーな花香のトップノートのみずみずしさが
例年よりも多くの学生に伝えることができたようです。