2019年10月16日水曜日

欲望という本能の行方・『ゴールデン・リバー』 /原題 "THE SISTERS BROTHERS"





原題は『シスターズ兄弟』を意味する英語なのですが、映画のタイトルとして『ゴールデン・リバー』もそう悪くはない気がします。


Le titre original est "THE SISTERS BROTHERS", et comme le titre du film, "Golden River" n'est pas si mal.


フランス映画祭2019で見逃していましたが、ようやく下高井戸シネマにて鑑賞。フランス人監督による英語の映画です。原作のパトリック・デウィットによる2011年発表の小説『シスターズ・ブラザーズ』は、カナダの総督文学賞をはじめとした複数の賞を受賞、日本でも各種の年末ミステリーベスト10入りを果たしていました。



思いもよらない展開とは?

欲望という本能が生み出すものとは?


これから見る人のために、タイトルと

イントロとキャストだけを、パンフレットより。


https://gaga.ne.jp/goldenriver/












ジャック・オーディアール監督作品には、生きた人間のにおいと感情がリアルに感じられます。今回もまるで眠っていた本能を衝かれるようでした。


少なくとも私がこれまでに観たオーディアール監督作品(今回の『ゴールデン・リバー』、『君と歩く世界』、『ディーパンの闘い』)には、かならず、人が人のにおいを、絶妙なタイミングではっきりと言葉にするシーンがあるのです。また、忘れられない映画が一つ増えました。


『君と歩く世界』

鑑賞時のsawaroma 記事↓


http://sawaroma.blogspot.com/2013/08/de-rouille-et-d.html?m=0


映画.com 2013.4.6の記事↓


https://eiga.com/movie/77842/special/




今回、圧巻のキャスティングです。一言も話さないルドガー・ハウワー(提督役)の存在感や最新作『ジョーカー』主演のホワキン・フェニックス(チャーリー・シスターズ役)も勿論素晴らしいのですが、なんといっても印象深いのはジョン・C・ライリー(イーライ・シスターズ役)。彼自身が原作小説に惚れ込み、映画化権を獲得したというのですから、その情熱は相当なものだったのでしょう。

彼は2012年のトロント国際映画祭で上映されていた『君と歩く世界』の監督、ジャック・オーディアールに本作の監督を依頼。「…彼(ジャック)ならこの題材を人間味溢れる物語にすることが可能だと確信していた」とのこと。




écrit par SAWAROMA





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