2025年1月31日金曜日

フリージアの香りから・スパイシーからフローラルへの繊細なグラデーション


穏やかな2025年の始まり

年度末の忙しさが始まる中

一定期間続けてきたことに一区切り


フレッシュな香りの白い花が欲しくなり

迎えたのはフリージア(ベルヴィル)


次々と開くつぼみから

軽くスパイシーな透明感と

繊細で清々しいフローラル感

心が洗われる








思えば年末から

まろやかなスパイシーさが優しい

“white”という名のオードトワレを

愛用しながら

自身の心地良さを第一にしていた


身にまとう香りに

軽やかさと躍動感を

求めたい気持ちは高まり


「良い香り」を意味する”parfum “ではなく

フラットに「匂い」を意味する”odeur”を

名乗るYohji Yamamotoのコロン5種から

自身と親和性を感じた1種を選んだりして


「甘い」という形容詞や

具体的なモノを想起させずに

抽象的な優雅さを感じることを

密かな喜びとしていた


そして月末

とある展覧会鑑賞に出かけた折

濃紺に白を合わせた装いのベースに

大好きな”LUXE CALM VOLUPTE"を


複雑な魅力に満ちたこの詩的な香り

グリーンやスパイシーな一瞬もあれば

なめらかさが絶妙な優雅さに

思える余韻も






香りの魅力は

いつも変化していること

すぐに消えていく可能性をもつこと

生き物と同じ


早春の香り

フリージアさながらに


今年は毎月更新に加えて

季節ごとに

記憶に残したいアートシーンや

使い続けたい化粧品についても

記録していきたい





…écrit par 《SAWAROMA》






2024年12月30日月曜日

2024年12月の5香・軽やかな躍動感



寒さが増すごとに心は温かく


一人の時間を大切にしてきた一年の

ほんのささやかな手ごたえから

これからの自分を想像して


12月の5香




12月初旬

懐かしい再会の場に

新しい自分を感じたくて

フレッシュなスパイシーマリンウッドの

VETIVERA / LE COUVENT 

この香りを纏っていた或る日のこと

混雑する駅の中でまたしても

意外な懐かしき人に遭遇した


お気に入りの濃紺や黒に

透かし柄の白を合わせて

冬の夜空の繊細な煌めきのような

華やぎを描きたくなったら

Passiflora / JO MALONE

BARÉNIA / HERMÈS

Une Nuit Magnétique 

/ The Different Company


この3香に包まれる日が暫く続く


とある彫刻家の新作展を観に

表参道へと出向いた帰り道

久しぶりに立ち寄った

コムデギャルソン青山店にて

この本に出会う




1994年のブランド初の香りは

揺るぎないユニークな魅力を

今も確かに醸し出していて


その隣に置いてあった

Whiteの香りは

1994年のものよりも

ほんのり柔らかく雪のように

すぐに溶けてしまうような

幻想的な甘さも感じさせた




クリスマスからの年越しは

White EAU DE TOILETTE

/ COMME  des GARÇONS 

と共に過ごすことに決めた


どんな色にも染まれそうで

どんな色にも固定されない

しやなかで軽やかな躍動感

そんな白が好きなのだと


改めて感じた2024年の師走





…écrit par 《SAWAROMA》






2024年11月30日土曜日

2024年11月の3香・深い柔らかさに癒される




落差の大きな11月が終わる

それは気温の差だけではなく

心情の起伏にも感じられた


ずっと行きたかった場所に行き

会いたかった人に会えた初旬を過ぎ

突然知らされた大切な友の急逝

涙と追想の数日後

迎えた自身の誕生日に母と話す

少し笑顔が戻る


柔らかなぬくもりを纏いたかった日々






秋の深まりのように

濃縮された密度がありながら

軽やかでソフトなウッディタイプ

ほんの一滴を纏うだけ

LOEWE 001 Woman



懐かしさとエキゾチシズムと

その奥ゆかしい非日常感には

いつも心が鎮まりほぐれる

こちらも一滴で十分

LUXE CALME VOLUPTE /FRANCESCABIANCHI



このまろやかさを

ほのかに感じるだけで

かすかな不安も和らぎ

優しい洗練を味方にできる

SHALIMAR/GUERLAIN


一滴だけを静かに纏い

ふわりとこぼれる

柔らかさに包まれて





…écrit par 《SAWAROMA》






2024年10月31日木曜日

2024年10月の3香・秋花と透明な緑の面影




待ち侘びた藤袴と金木犀の花

花屋のブーケに

藤袴を見かけたのは10月初旬

朝ドアを開けて

香る金木犀を感じたのは10月中旬

もうすぐ11月

乾いた空気に秋の涼しさ

冷たいはずの水面に浮かぶ緑に

柔らかなぬくもりを求めて







この秋も静かな時間を潤わす

しとやかな藤袴さながらに

LICHEN × Mame Kurogouchi EAU DE PARFUM






秋空を優しく香りで染める

ウッディな荘厳さの中にきらめく

愛らしいフルーティーな

オスマンサス(金木犀)

Osmanthus eau de parfum Olibanum





儚げな緑の透明感

いつのまにかカルダモンと

繊細なヴァニラの温もりに溶け込む

LILYPHÉA Eau de parfum Les Essences de Diptyque





…écrit par 《SAWAROMA》