眼を閉じていたら、森の緑陰が思い浮かんだ。寝室の窓際にベチバーの香りがほのかに流れるのを感じた。
Quand je fermais les yeux, j’imaginais l'ombre verte de la forêt. Dans ma chambre, j'ai légèrement senti l’odeur de vetiver coule à la fenêtre.
夏の寝室にドライな涼感が欲しい。ベチバー精油をアルコールで希釈してスプレーを用意した。今朝も窓際に吹き付けていたのだ。
Pour ma chambre d'été, je veux une sensation sèche et fraîche. J'ai préparé un spray en diluant l'huile essentielle de vétiver avec de l'alcool. Je le pulvérisais à la fenêtre ce matin aussi.
ベチバー精油は原液のままでは、重く深く、ねっとりとこもった匂いがする。土の奥深くに張り巡らされた根の生命力さながらに。希釈1%でも充分な存在感。
昔インドでは、ベチバーの根を編んで作ったブラインドや団扇に水を掛け、通る涼風とともに独特の香りで暑気払いをしたという。
私もこの精油原液を薄く希釈した香りを窓際で毎夏愛用している。最近は湿度の高い夏に人と遭遇しがちな、あの昆虫への忌避効果も研究されているらしい。
ほのかに香るベチバーの余韻は良い。私はこの精油を人の皮膚へのアロマトリートメントでは使わないが、空間を香らせるときには単独希釈や他種との調香で。
さて、自分の身にまとうフレグランスともなると、ベチバーは素材感よりも独特の雰囲気として活かさなくてはならないだろう。
私の愛用フレグランスのいくつかにもベースにベチバーが使われていた。ナルシソ、ムーンライト イン ヘブン、ソルティレージュ…
http://sawaroma.blogspot.com/2018/09/narciso-eau-de-parfum.html?m=0
http://sawaroma.blogspot.com/2018/10/moonlight-in-heaven-by-kilian.html?m=0
http://sawaroma.blogspot.com/2019/01/850mlle-galion.html?m=0
フレデリック・マルの「ベチベル エクストラオーディネール」https://m.fredericmalle.com/jp#/stores/japan もベチバーの真髄を堪能できるが…。
私の場合、これはフレグランスとして自身から香らせるのではなく、周囲にうっすらと上品に漂うのを感じるほうが良いと考えた。
いずれにしても、この愛すべきユニークな素材、イネ科植物ベチバーの精油は、これからも私の必需香のひとつとして大切にしたい。
…écrit par 《SAWAROMA》
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