光を集める見事な一連の曲線。
それは開いた花さながらに。
初めてこの『ぎやまん陶』を見たときは
思わず立ち止まりしばらく眺めてしまいました。
Un groupe de courbes étonnantes qui rassemble la lumière.
Cela ressemble à une fleur ouverte.
Quand j'ai vu 《Guiyaman-Tō》pour la première fois,
je me suis arrêté et je l'ai regardé pendant un moment.
「ぎやまん」とは江戸時代から明治初めにかけて用いられた外来語で「ガラス」を意味します。1921年(大正10年)岐阜県土岐市に創業のカネコ小兵製陶所が試作の末2008年に発売した『ぎやまん陶』。ガラスのような透明感のある輝きと漆器のような深みを持つ風合いを合わせ持っています。オリジナルの釉薬、端正な放射状の線を持つ菊花の形。どの器を眺めても調和のとれた美しさを感じさせる背景には、絶妙な土と炎や釉薬の加減はもちろん、型職人が様々な器の大きさや形状によって描く線の数も変えているという緻密さも貢献しているのでしょう。
『ぎやまん陶』
http://www.ko-hyo.com/giyaman.html
株式会社カネコ小兵製陶所
ドイツでの見本市で、ぎやまん陶(茄子紺ブルー)の器がフランス「クリスチャン・ディオール」バイヤーの目に留まります。2010年より裏にDiorのロゴが入ったぎやまん陶の器はディオールパリ本店のみでのお取り扱いとなり、ミシュラン二つ星獲得レストラン敏腕シェフ、ジャン=フランソワ・ピエージュ氏との運命の出逢いをもたらすのです。彼曰く、15年考え続けてきたデザートのレシピがこのぎやまん陶のブルーの皿で完成したとのこと。
海を渡ったぎやまん陶~Paris編~
http://www.ko-hyo.com/store/versailles
新色として7月1日より発売されるのは、無駄を削ぎ落とした水墨画のような風合いをもつ凛とした『ぎやまん陶』"墨ブラック"。その透明感がもたらす独特の濃淡が魅力的です。
http://www.ko-hyo.com/store/giyaman-sumi
昨日 新色発表会の取材にうかがい、伊藤社長から直接これまでのヒストリーを拝聴、海を渡りこの器の美しさが伝わったことを嬉しく感じました。確かに料理は器ひとつでかわります。美しいものを眺めるとそれだけでも気分は高まりますが、ぎやまん陶は食洗機でも洗えるというモダンな機能も合わせ持っています。”Art de Vivre”(暮らしの芸術) はフランス人だけのものではありません。…早速私も知人へのギフトの候補にしたくなりました。
東京にて、sawaroma より。
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