夏至を過ぎた最初の土曜。
日本調香技術普及協会の講演会へ。
演題は「花の香りの発散機構と多様性」。
講師は大久保直美先生(農業・食品産業技術総合研究機構-野菜花き研究部門)。
花が香る仕組みの解明を目的として様々な研究をされ、著書としては
「花の香りの秘密(フレグランスジャーナル社)」もあります。
花は種を繋ぐための生殖器官であり、おもに受粉を助ける虫を誘引するべく香り成分を発散させていることは知っていましたが、植物によりその方法(香り成分・発散時間帯)は実に多様。大久保先生のお話から、特に多様な香りのヴァリエーションを持つというチューリップは来春必ず生花で試したくなりました。バラのような香りがするという品種モンドルーナ、良い香りで有名な品種バレリーナなど…。
香り成分を合成する最初の材料が光合成による糖であることも改めて実感。切り花となってからも光に当て、水を適度に供給し、光合成できるように葉をつけておけば、香り成分は作り続けられ、すなわち香り続けるのです。温度が高すぎると呼吸に糖が使われてしまい、香り成分はあまり作られない… 適度な温度、光、水、空気(まさに環境要因)が香りに大きな影響を与えることになるわけです。
実際に生花の香りも体感、中でも印象に残った香りの花を分けていただきました。
イエローウィン
Yelloween(品種名)
澄んだ黄色から緑のグラデーションが綺麗。ユーカリプトール、リナロールも含むちょっと粋な香り。…カサブランカほど濃厚ではないものの、まさにユリならではの香りを周囲に漂わせています。
シェドゥーブル(品種名)
chef-d'oeuvre でしょうか。フランス語で「傑作」という意味になりますがこの花弁が細かく密にたたまれている姿が愛らしく、香りがまた密やかなスパイシーさを感じさせるのです。アニス様とでもいいますか、どことなくオリエンタルな妖艶さを漂わせています。
………
さて、大きなイエローウィンとシェドゥーブルの花束を抱えて表参道を歩いていると、見慣れない白い外壁。お茶も頂けるチョコレートのお店。フランス直輸入の香り高いショコラ(ライムのガナッシュやフランボワーズが効いたサヴァジーヌ)を珈琲と共にいただきました。
白と青の静謐な空間。
青山246通り、ラ・ポルト青山の手前を右に入ってすぐ。
また立ち寄りたいと思います。
FABRICE GILLOTTE http://www.fabrice-gillotte.jp
東京にて、sawaroma より。
…écrit par 《SAWAROMA 》à Tokyo.
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