香水評論家の平田幸子さんのお誘いで、
株式会社フィッツコーポレーション2012 Spring & Summer プレス展示会・ワークショップに出席。会場はひと足先に春のムード。
ワークショップのタイトルは
ー香りと脳機能の関係性 杏林大学 古賀教授と読み解く
「香り」で勝ち組になれるのか?ー。
特別ゲストとしてお話いただいたのは、医学博士の古賀良彦先生(杏林大学医学部・精神神経科学教室教授)。古賀先生のプロフィールで私が真っ先に目を留めたのは、「脳の血流量を分析する光トポグラフィーの第一人者」。30分程のお話は嗅覚と脳の解剖生理学的背景から脳波データによる解説まで、専門的でありながら非常にわかりやすく興味深いものでした。以下は私のメモから。
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1,香りの情報は、脳の中で一番前にある場所で一番最初に処理される。
2,香りの中枢と記憶の中枢は隣り合っている。
3,脳の働きによって「気持ち」が生じる。
4,脳波"α波(アルファ波)"は、人がくつろいでいるときにたくさん出てくる。
5,脳の働きがスムーズなとき、α波はたくさん出ており、これはリラックス状態。
6,悪臭(例えば非喫煙者にとっての煙草臭)でストレスを受けると15分程でα波の量は半減、30分でほとんど出なくなっていたというデータあり。
7,ほぼ無臭での状態をα波の量を基準とし、レモンの香りを嗅いだときとラベンダーの香りを嗅いだときで測定すると、レモンではほとんど変わらなかったのに対し、ラベンダーでは明らかに増えていた。
8,事象関連電位P300の感度振幅により、認知能力(記憶・集中)や情報処理能力を測ることができる。これは加齢や疲労により低下する。
9,ほぼ無臭での状態を基準とし、レモンの香りを嗅いだときとラベンダーの香りを嗅いだときとでP300の状態を測定すると、レモンでは明らかに感度が高まる波形が見られた。
10,9に見られるように、柑橘系の香りは脳を活性化し集中力を高める傾向あり。勉強や仕事には勿論、スポーツにも良いのでは?
11,香りを嗅ぐことによって脳の前頭葉での血流量増加が見られた(例えば、ピーチの香りを嗅いだ場合)。この部分での血流量増加は、創造力やプランニング能力、人間の人間らしい文化を発達させる能力が活性化されていることを示し、ポジティブな気持ちを高めることにつながるだろう。
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実験データとして登場した香りはレモン、ラベンダー、ピーチでしたが、きっと他の様々な香りも脳に影響を与えているはず、と想像。生きものにとって嗅覚、すなわち香りを感知する感覚は生存のために必要であるだけでなく、より良く生きるために無くてはならないものであること。このように科学的にも研究されていることがもっと知られてほしいと思いました。