香り立つように華やかな色、
動き出しそうに軽やかな線。
音楽のリズムのように……。
かつて、ラウル・デュフィ(1877〜1953)の絵を初めて眺めたときの私の印象です。その絵のタイトルは《ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場》(1943)。ファッションデザイナーとして初めて香水をデビューさせた、あのポール・ポワレとデュフィとのコラボレーションが展開されていたことを知りました。
今回の展覧会では、デュフィの絵画作品に加え、彼がポール・ポワレにより導かれたモードの世界において生み出したテキスタイル・デザイン関連作品を合わせて鑑賞できるのです。数ヶ月前から楽しみにしていました。
Raoul Dufy :
Paintings and Textile Designs
Oct. 5 – Dec. 15, 2019
At Panasonic Shiodome Museum of Art
https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/191005/
「ラウル・デュフィ展 ー
絵画とテキスタイル・デザイン ー」
パナソニック汐留美術館にて
2019年10月5日(土)から12月15日(日)まで開催。
絵葉書
『ニースの窓辺』と『赤いヴァイオリン』
モードの帝王ポール・ポワレ(Paul Poiret)が重用した絹織物を含む、デュフィのテキスタイル・デザイン関連作品が彼の優美な絵画作品と共に展示されています(衣装作品20点を含む、全130点)。一巡後また最初からゆっくりと眺めたくなるヴィジュアルの数々です。
第1章 絵画 生きる喜びー陽光、海、そして音楽
第2章 モードとの出会い
第3章 花々と昆虫
第4章 モダニティ
特別展示 マイ・フェア・レディ
(こちらのみ、撮影可能エリアです)
撮影可能エリアにて
躍動感のある筆致。具体的なモチーフを絶妙なリズム感で連続するパターンに仕上げるデュフィが音楽に精通していたことを知り、感慨深い思いです。具象の組み合わせを線と色で抽象的なヴィジュアルのテキスタイルへと創造するデザインプロセスは、調香の感覚にも通じるところがあり、香りファンにも楽しめる展示ではないでしょうか。
さて、私が初めてデュフィ画《ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場》(1943)の絵葉書に出会った美術館はブリヂストン美術館。2015年年より休館していましたが、2020年1月にアーティゾン美術館として開館するようです。
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/emerging_artscape/#page2
…écrit par 《SAWAROMA》
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