1961年公開の映画だが、まったく古さを感じない。モノクロならではの陰影、シルエット、コントラストの素晴らしさ…。目と耳で感じることそのものを堪能できる作品ゆえに、今回4K最高精細でのデジタル完全修復が実現したことは嬉しい。10/25より、恵比寿ガーデンシネマにて公開中。
《L'Année dernière à Marienbad》version numérique remasterisée 4K, est sorti au Ebisu Garden Cinéma à partir du 10/25.
http://www.cetera.co.jp/marienbad4K/
観る人を非日常的な世界にいざない、見えないものを想像させる余地を十分に漂わす、エレガントかつミステリアスな傑作である。独特な音楽の響きと共に、忘れられない余韻が香る。
映画とは本来、自由に解釈を楽しむものだったと改めて思う。
誰なのか? 名前はわからない。ただ、そこには人がいて、動いている。
どこなのか? いつなのか? 全ては謎。
提示される場所、人、かわされる会話、表情…。それらから読み取れることは?
『去年マリエンバートで』というからには、去年、という時間と現在とは違うということをほのめかす。映画の中のことは去年のことなのか、現在なのかは曖昧である。映されるシーン自体、誰かの記憶なのか、現実なのか、妄想なのかも明確ではない。
この詩的かつ謎めいた展開の中で、ひときわ素晴らしい眺めとなっているのが、主人公の女性が纏う複数のドレスである。これらはシャネルがデザインしたのだという。そしてこの服が抜群に似合う髪型、眼差し、立ち居振る舞いを追うだけでも楽しい。
Affiche visuelle lors de la première sortie en France de "L’Année Dernière à MARIENBAD". J'ai reçu cet autocollant le premier jour de la sortie de la remasterisation numérique 4K aujourd'hui.
写真は1961年にフランスで初公開されたときのポスターヴィジュアル。4K デジタルリマスターでの公開初日にてこのヴィジュアルが印刷されたステッカーをいただいた。
こちら↓の記事では、1964年日本公開当時のポスター写真も見られる。
https://cahiersdemode.com/delphine_seyrig1_last_year_at_marienbad1/#_
…écrit par 《SAWAROMA》
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