2019年5月15日水曜日

7月公開・『存在のない子供たち』(Capharnaüm)




5月半ば。現在フランスでは、第72回カンヌ国際映画祭が始まったばかり。この映画祭で昨年話題を集め、コンペティション部門審査員賞とエキュメニカル審査員賞を受賞した作品が日本でも来たる7月から公開される。

『存在のない子供たち』http://sonzai-movie.jp







De la brochure distribuée à lavant - première au Japon.(日本での試写会パンフレットより)


原題はカペナウム(Capharnaüm| アラビア語でナフーム村。フランス語では新約聖書のエピソードから転じて、混沌・修羅場の意味合いで使われる。

タイトルと少年ゼインの瞳に何かを感じたならば、決して長くはない125分。試写会初日に突き動かされるように観てしまった。私には終生記憶に刻まれる予感のインパクト。人間とは何か、その存在は誰のものか。気がついたら生まれてしまっている現代の人間は、その概念の前提にあったはずのものを問う自由くらいは持っていたい。ゼインの瞳は鋭く、柔らかい。


2018 | レバノン、フランス | カラー 

アラビア語 | 125 | 原題: Capharnaüm

監督・脚本・出演 : ナディーン・ラバキー

出演 : ゼイン・アル = ハッジ,

          ヨルダノス・シフェラウ

字幕翻訳 : 高部義之

配給 : キノフィルムズ/木下グループ


ラバキー監督自身も1974年レバノンに生まれ、内線の真っただ中に育ったという。昨年イタリア映画祭で鑑賞した『チャンブラにて』を少し思い出させる内容であるかに見えたが、決定的に異なるのは不合理な境遇に対する主人公のアクションである。ここに監督の強い問題提起を感じる。彼女の横顔には見覚えがあった。2014年のフランス映画祭で上映された『友よ、さらばと言おう』という映画に幼い子供の母親役で出演していた。本作ではゼインの弁護士役として出演している。


écrit par SAWAROMA



2019年5月14日火曜日

アルストロメリアの花びら・Pétales d'Alstroemeria




Fleurs d'Alstroemeria. アルストロメリアの花。魅力の一つは花びらの形です。6枚のうち、大きな3枚は丸く、中央が少しくぼんでハートの形。うっすらと入った線も優雅です。細い3枚は繊細な羽根のよう。花のような、鳥のような。

L'un des charmes est la forme des pétales.  Sur les six, les trois grands sont ronds et le centre légèrement concave en forme de cœur.  Les lignes légèrement entrantes sont aussi élégantes.  Les trois minces sont comme des plumes délicates.  Comme une fleur, comme un oiseau.





南米原産。和名は百合水仙。様々な種類があるようです。香りは百合や水仙のような強さはありませんが、この素敵な花びらはブーケを大いに引き立てることでしょう。


追記

このアルストロメリアを購入させていただいた豪徳寺のHANAZUKANさまに品種名を確認したところ、『おぼろ月』とのことでした。


écrit par SAWAROMA



2019年5月12日日曜日

2019年限定ボトルと《LALIQUE DE LALIQUE》の香り




ラリックのフレグランス『ラリック ドゥ ラリック』100mLが充填された特別限定品。先月リニューアルオープンのラリック銀座店にて拝見しました。

http://sawaroma.blogspot.com/2019/04/426.html?m=0

1994年以来、毎年ラリックならではの限定ボトルがつくられています。



2019 LIMITED EDITION CRYSTAL

COLLECTIBLE BOTTLE

NAÏADE LALIQUE 


NAÏADE”? 調べてみると、ギリシャ神話に登場する妖精で泉や川の精霊のようです。優美な女性のシルエットが流れるように渦を描き、貴重な液体をまもっているかのようなフォルム。『ラリック ドゥ ラリック』の香りを愛好する方にとっては、こうした特別なボトルを美術品として収集するのも楽しいことでしょう。


『ラリック ドゥ ラリック』

https://lalique.jp/fragrance/ladies/laliquedelaliqueedt50/

洗練とエレガンスを象徴する香りとして、「独創的なクリスタルアートと卓越した調香とのフュージョン」をテーマに、ルネ・ラリックの孫であるマリー=クロードラリックが1992年に発表したラリック初のフレグランス。発売以来25年以上にわたり世界中の女性に愛されてきたそうです。日本でも2019410日より銀座店およびオンラインショップにて発売。年齢問わず、大人の優雅な佇まいに似合うフローラルムスクの香りです。レギュラー50mLのボトルはこちら。




フレグランス。そのボトル自体も香りのイメージを形成します。中の液体を使い切ってしまったとしても、小さな美術品として眺めていたいと思えるかどうか。私が自ら入手したいと願う香りも、ボトルにも魅力を感じられるものであることが大切でした。

香水瓶の素材としても広く用いられるガラス。そのガラス工芸において20世紀前半に素晴らしい功績を残したルネ・ラリック(18601945)。ジュエリーデザイナーとしてのキャリアを経て、香水商コティからの依頼を機にガラス工芸家へと転身します。

次世代へ、そして今日へとさらなる進展を伴い生き続けるブランドの存在を、ガラスアートやフレグランスを愛好する者としても嬉しく思っています。


箱根ラリック美術館ウェブサイトの中でも、ルネ・ラリックのヒストリーが紹介されています。

http://www.lalique-museum.com/museum/about/index.html


écrit par SAWAROMA



2019年5月11日土曜日

爽やかなルバーブからの回想・繊細なTORNADE BLONDE の香り




ルバーブ。初めてそのジャムをいただいたときに感じた絶妙な酸味とみずみずしいグリーンのイメージは忘れられません。この酸味と香りのおかげで、甘さもさほど苦にならず美味しくいただけたのでした。


昨年の今頃に初めて出会い、晴れた爽やかな風の日になるとよく愛用してきたこの香り。

TORNADE BLONDE PARFUM    Christian Louboutin http://sawaroma.blogspot.com/2018/05/tornade-blonde-parfum-christian.html?m=0


このフレグランスの魅力は第一にみずみずしいきらめきのイメージ。こうした繊細なエレガンスは花の香りだけで作られるものでは無いでしょう。本当に程の良さが上品なフローラルなのです。


一瞬素敵な香りが通り過ぎたかと思うとその余韻は静か。きらめきの印象のみが頭から離れない。だからそっと近づいてみると、囁くようにきこえてくるのが、心地良い酸味を伴うフルーティーな香りをともなう咲いたばかりのような花々。


さて、ルバーブの話題に戻ります。調べてみたところ、TORNADE BLONDE PARFUM のトップノートにはルバーブが使われているとのこと。酸味と独特なグリーン感をもつルバーブの香りがこのフレグランスの印象にもたらした効果は確かにあるようです。


フレグランスというものは、最初から一瞬でその香りの印象は感じられるものではありますが、「自分の肌にもまとってみたい」と思えるものは、実際に一定期間、様々な環境のもとで着用することによって、最初は認識していなかった魅力に気付くこともできます。


トルネード ブロンド。最近では携帯にも嬉しい30mLボトルも入手できるとのこと。益々定番にしたくなります。ボトルの美しいガーネットカラーにも気分が高められるのです。

http://jp.christianlouboutin.com/jp_ja/shop-online-1/beauty/parfums/tornade-blonde-1.html


écrit par SAWAROMA



2019年5月8日水曜日

思わず触れてみたくなる・横山玄太郎「SOFT TOUCH」/ ギャラリー册




柔らかそう? 動きそう? 陶芸!思わず触れてみたくなるかたちの数々。






横山玄太郎「SOFT TOUCH

会期:201957日(火)―61日(土)

会場:ギャラリー册

http://www.satsu.jp/?p=1240






液体のような固体。想像の中で動き始めそうです。

「アーティスト・イン・レジデンスプログラム2018」の参加アーティストとして、アートビオトープ那須で2018102日~1119日迄滞在制作を行った陶芸家・横山玄太郎さんの新作展覧会。セラミックでこんなにも様々な形が産まれるのですね。

http://www.gentceramics.com







何か語りかけてきそうな存在感。振り向くと嬉しい驚きが待っています。そして何度も眺めているうちに、つい触れてみたくなるのです。曲面に映し出される艶、膨らみ、そして今にも弾けそうな感触が。横山さんのお話も笑顔満面、和やかな雰囲気でした。





アートビオトープ那須 https://www.artbiotop.jp 。今頃はきらめく新緑に囲まれていることでしょう。那須の豊かな自然の中で、五感が研ぎ澄まされ、心が自由になっていく瞬間の喜びも伝わってくるようです。


東京にて sawaroma より



2019年5月5日日曜日

静かに柔らかに香る・Leafy Green/Whitte




先月のWhitte 新作香水" Casablanca "試香会http://sawaroma.blogspot.com/2019/04/8.html?m= の際にこのブランドから感じられた柔らかな透明感を他の7作でもゆっくりと試したく、新宿ニュウマンに向かいました。

ショップでは7種全てのラストノートを先ず確認。具体的な香料の余韻よりも、自分が今まで感じたことがなかったようなユニークな調和が感じられるものがLeafy Greenでした。





Leafy GreenWhitte https://whitteinc.com/product/04/

at NEWoMan SHINJUKU M2 POPUP STORE

https://whitteinc.com/archives/newoman04220506/


一人で黙々と調べて考えての仕事が多い今日この頃、こんな香りが自分の体温と共に漂ってきたら、嬉しいひらめきに出会えるかもしれないと思いました。

直接手首に吹き付けてみます。苦みは無く、優しい拡がりです。何処からともなく水のようなひんやりとした感触も。いかにもフローラルという華やかな甘さがない代わりに、深呼吸しても違和感のない穏やかさ。

緑は好きな色ですが、今までこうした色がネーミングされたフレグランスでフィットできるものには出会えていませんでした。色の印象は本当に人それぞれとは思いますが、私にとって青や緑は主に、静かで柔らかなイメージを持つもの。尖っていたり奮い立たせるようなものではないのです。

数時間経った後の手首に残る余韻は それより少し前にウエストに纏ったフローラルの香りにも調和し、優しい陰翳を感じさせます。単体でもレイヤーでも。この夏の香りの一つとして記憶に残りそうです。


東京にて sawaroma より



2019年5月2日木曜日

薔薇の季節に・『マデリン ローズ/LOCHERBER』の甘く豊かな香り




薔薇が美しく咲き始める5月。その花の香りを想像しただけでも嬉しくなります。咲いている花の匂いは囁くように控えめに漂うのですが、このような香りが凝縮されたような華やかさを一瞬でも感じると、それだけで心が明るくなり楽しい気分になるのは私だけでしょうか。




独特の空間演出のために洗練されたフレグランスを提供するブランド、ロッケルベルより日本で4月に発売された、マデリン ローズ。実際の薔薇の花以上に深くフルーティーな甘さがなめらかに香ります。まさに上の写真のような、鮮やかなレッドに近い薔薇色の空気が漂うかのようです。


どことなくキュートな甘さはトップノートのストロベリーやカシスの香りからでしょうか。ミドルノートのアーモンドやユーカリと共に引き立つダマスクローズ。後を引くラストノートにはバニラやフィグがほんのりと。一瞬の香りだけで、味覚まで満たされたような錯覚をおぼえます。





とはいえ、同じ強さで漂い続けると良い香りとはいえ酔ってしまうこともあります。特にこのマデリン ローズを空間で楽しむには程よい香らせ方を工夫したいもの。天井が高く広い空間には風の通り道に大きめのディフューザーを。小さな空間には小さめのものを。さらに小さな空間には上の写真のようなサシェを。


私はまずスプレーで試しました。今日は仕事部屋の隣にある6畳程の部屋に34回スプレーし、気分転換したくなるたびにこちらへ。甘い華やかな香りに一瞬で気分がほぐれました。色にたとえると淡い薔薇色のような空気感。多くの人が出入りする広い空間でない場所では、このような香り方で素敵でした。





長く厳しい冬を越えて、ようやく花々が咲き誇る季節が訪れた喜び。マデリン ローズのような鮮やかな華やかさを持つ香りに一瞬でも浸る喜びを満喫したい5月です。


ロッケルベル マデリン ローズ /ルームディフューザーhttp://store.daido-corp.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000002821&category_code=ct222&sort=recommend&page=1


情報提供

株式会社 大同 http://www.daido-corp.co.jp


東京にて、sawaroma より