2018年11月17日土曜日

“Making of 《BARBARA》” が伝えたもの・『バルバラ セーヌの黒いバラ』





『バルバラ セーヌの黒いバラ』公開初日に鑑賞。

今も音楽の余韻が消えない。

http://barbara-movie.com





静かに、たたみかけるように、波打つ旋律が膨らんでいく。強い眼差しとくっきりとした陰影の容貌とは裏腹に、柔らかく儚げな声。なのにじわじわと聴く者の耳に沁み込んでいく。

そのような得難い音楽性が、これまでバルバラという歌手の存在を知らなかった私に伝わっているのだ。それだけでもこの映画は大成功だとは言えないだろうか。






バルバラ本人にしかわからないことは永遠に他人にはわからない。わかるのは、彼女が残した数々の楽曲と歌声、そして映像。この作品では、バルバラに魅了された監督と彼女を演じる女優そのものが描かれている。彼らもそうした残されたものを手掛かりにバルバラのイメージを作っていく。その表現の熱いプロセスが、バルバラの音楽の魅力とその誕生の背景を見事にすくい上げていると思う。



東京にて、sawaroma より。


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