2022年2月16日水曜日

試香紙から拝香・Tom Ford のローズフレグランス三部作




四枚の試香紙を

ダマスクローズの花の画像の上で。

いずれも香りを吹き付けてから

一週間以上経過しているが、

今も特徴的な陰影を香らせている。


TOM FORDから新たにROSEをテーマとする

フレグランス三部作が二月に発売されると知り、二年前の「ROSE PRICK」とともに、まずは試香紙にて拝香を試みた。




Pと書かれた紙に「ROSE PRICK」。

華やかな薔薇そのものが上品に香り立つ。

薔薇が好きな人の多くに

受け入れられるだろう。

その名が示す、

華やかさと一体となって存在する棘とは、

感知できる人には絶妙なアクセントとなる

スパイシー感か。

それとも陶酔の果ての予測不能な展開か。


さて、今回の新作は

なぜ、あえての三種なのだろう。

なぜ、アマルフィ、中国、ロシアなのか。


細い試香紙、Aには「ROSE D‘AMALFI」。

Cには「ROSE DE CHINE

CHINE とは「中国」)。

Rには「ROSE DE RUSSIE

RUSSIEとは「ロシア」)。


アマルフィだけは国名ではない。

名付けた人の思い入れが深い地名

なのだろうか。

ベルガモットやアーモンドなどはAに、

芍薬はCに、レザーはRに。

それぞれの地の特徴、

として選ばれた素材を

ROSEと組み合わせた香り、

ということなのかもしれない。


最初に吹き付けた直後の印象は、

時間経過後もあまり変わらない。

三種の印象を私の言葉で綴ってみる。

Aにはふんわりとした明るい華やかさ。

Bには謎めいた穏やかさと妖艶さの妙。

Cには軽やかな艶めき。


「中国の薔薇」、

「ロシアの薔薇」と名付けるには

もう少し探究できそうな余地が

ありそうな今回の新作。

とはいえ、この二つの国名に、

薔薇が添えられて香りとなることは、

今の世界情勢を考えると感慨深い。


改めて、

薔薇の香りが持つ魅力を

再発見したり、

再考するには

面白い三部作なのかもしれない。




参考情報


Tom Ford Praivate Rose Garden / Fragrantica / 2022,01,10


トム フォード「ローズ」のフレグランス三部作/FASHION PRESS/ 2022, 1,26




…écrit par SAWAROMA



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