2013年8月31日土曜日

THE LAUNDRESS・肌のように服をセルフケア


長く大切に着たいとおもうブラウスやシャツ…
素材にあわせて手洗いすることが多くなりました。
気に入っていた白ブラウスをドライクリーニングに出したところ
微妙に1トーンくすみ、着心地も今ひとつだったことがきっかけです。

汚れの程度にあわせた洗剤量と
物理的刺激(水の温度、絞りなどの加圧)や
アイロンのかけかたを配慮するだけで、生地の傷みも少なく
何よりも着たときに肌で感じる清潔感が心地よいのです。
襟元からも洗いたての清々しい香りが漂い至福でした。



ザ・ランドレス
昨日オープンしたばかりの新宿ルミネ2のショップで
まず試してみたいアイテムを入手しました。

襟元の皮脂汚れに
強い漂白剤を使うのも抵抗ありと思っていた私に
小型スクエアソープの"WASH & STAIN BAR"は願ってもない一品。
今日もリネンのブラウス襟元に使用。
クラシックな石鹸の香りの残り香が、強い太陽光で程よく飛んで
わかるかわからない程度の微香が清潔感としてふんわり残りました。
強い柔軟剤のにおいのようにしつこく残ったりしないので
お気に入りのフレグランスでドレスアップすることにも支障なし。

その他、お試しサイズ兼トラベルサイズの3点。
シルクやレースなどのおしゃれ着用"DELICATE WASH"。
染み抜き液の"STAIN SOLUTION"。
そして、虫喰い防止も期待できる
シダーの香りの"WOOL & CASHMERE SHAMPOO"。
製品それぞれに天然由来の香りが使われています。

ちょっと驚いたのが
ランドレスと同じくNY生まれのモダン香水「ルラボ」とのコラボレーション。
人気の高い"ROSE31"と"SANTAL33"。
これらを使ってカーテンやコットンラグ、ソファカバーを洗えば
室内に洗練された香りがふんわり漂うことでしょう。

たいせつな肌をケアするように
その肌に着る服もその周囲の空気も
優しい香りと環境に配慮されたファブリックケアで洗い、守ること。
それは
テキスタイル、アパレルデザインを学んだ上に
ラグジュアリーブランドでの対顧客体験を重ねた二人のスペシャリストが
研究開発を経て創造できたブランドならではの価値ではないかと思います。

2013年8月30日金曜日

「そんな人、存在するの?」と思わせる"Jil Sander Ultrasense"の香りに好奇心

9月発売予定の新作フレグランスの中で
そのイメージコピーに強く魅かれたものが
ジル・サンダーの新作。

Jil Sander Ultrasense
08/29/13 10:31:58
By: Sanja Pekic


ウルトラセンス。超感覚?この名自体もかなりおもしろい。

ボトルデザインはどことなく一昔前?'80年代?

そこまでであればスルーしていた。

しかし、このフレグランスが表現する男性についての記述を読み
「そんな人っていまどきの世の中に存在する?」
と思ってしまう。そこが2013年という時代を反映しているのかもしれない。

…直感、本能に導かれ
出しゃばらず控えめな自信、
特別な抑制の効いた魅力を放つ…

"unobtrusive" と"restrained"が
互いを強調するかのように使用されている説明が印象的。

まるで自己意識から解放されたかのごとく
直感と行動が自由に、静かに直結したヒーローのごとく。

フレッシュなベルガモットと
スパイシーな黒胡椒にマダガスカルのベリーたち。
トップノートが楽しみでもあり
セージと樅の清涼感と複雑な深みが
柔らかなホワイトムスクへ流れていく空気を想像すると、
何となく今求められる人のイメージに繋がるような気がするから不思議。



2013年8月29日木曜日

風切る気分で・"TELL ME WHERE YOU'RE GOING"/SILJE(セリア)

せっかく朝夕涼しくなったと喜んでいましたが
今日の日中の陽射しはまだまだ夏。

ちょっと乾いた空気の中を
風切るような気分でドライブ…したいところですが
現実はそうもいかないので、そんな気分に浸れそうな音楽を。



ノルウェー生まれ、セリアのデビューアルバムは
大昔…確か渋谷のショップで
溢れる新譜の中から
まるで香水をえらぶように感覚だけで選んだもの。

試聴して音の雰囲気だけで気に入って購入したのですが
なんとなく夏の終わりに聴きたくなるのです。

アルバムには90年9月27日発売とありました。
…確かに秋の空気をバックに聴いた記憶が。

透明感のある英語の発音。乾いた空気に似合います。
音楽プロデューサー、菰口賢一さんも
ご自身のダイアログ中7/22の記事でこの1枚を紹介されています。

しかし。
昨日みた映画も邦題と原題のギャップに驚きましたが…
なぜ"TELL ME WHERE YOU'RE GOING"が
「やさしい光につつまれて」というタイトルになるのか疑問。
聴いていると確かに爽やかで心地よいかもしれませんが
歌詞はそんなに穏やかではないのです。

「君と歩く世界」(原題 : " DE ROUILLE ET D'OS ")が伝える生身のリアリティ

「君と歩く世界」(原題 : " DE ROUILLE ET D'OS ")
両面チラシのうち、公式サイトトップページに使用されている、女性が背負われた写真よりも、私は二人が同じ正面をまっすぐに向いた写真のチラシに魅かれる。



シャチの調教師と格闘家がどんな出逢いをするのかと興味を持った。

浮いた言葉などゼロ。肉体を持つ生身の人間のリアリティ。
言葉は肉体から生まれる。
本来、生きものにとっては頭脳を含めて肉体なのだが
現代、頭脳以外の肉体はどこかおざなりにされている。
そのことを鮮烈に思い起こさせてくれる映画。

映画冒頭、最初のセリフは5才の男の子の "J'ai faim!"(おなかすいた)。
生身の身体は空腹にもなるし、あったはずの身体の一部が無くなれば悲しい。
そして、動く身体があれば使いたいし動かしたい。
男が男にできることを本能的に求めるならば、女も同じ。
感覚が通う全身からの情報が脳に集結し、感情、表情、行動、言葉を生む。

本音は必ずしも言葉になるとは限らない。
表情、行動にまずは現れる。

ラスト間近。
スクリーンの闇の中で、"Je t'aime."(愛してる)の声。
そんな言葉を言いそうにない人物が、誰かに向かって一言だけ。
この言葉の重みも、
原題 "DE ROUILLE ET D'OS" (錆と骨)の意味も
この映画全編を通して初めて響いたと感じた。
格闘家であれば記憶にあるはずの、口の中の味だとか。

4月公開当時に見逃したこの映画を
幸運にも今週見ることができたのは
下高井戸シネマのおかげと感謝。
今週金曜日まで、夕方4時からの上映です。

2013年8月28日水曜日

ピンクペッパー 〜 トリー・バーチの初フレグランスからの回想 ~

アメリカのファッションブランド、トリー・バーチが
初のフレグランスを発表。9月発売とのこと。

First Fragrance by Tory Burch
08/26/13 00:30:07
By: Sandra Raičević Petrović

トップノートに使用されている香料の中に
ここ最近よく目にするピンクペッパーを発見。

このひと月以内でも
8/10記事 でご紹介のオードモワゼル新作や、8/18記事 のマドリー新作に使用されている。

数日前に読んでいたFragranticaの記事
"Note du Jour: Pink Pepper"の真っ赤な実の写真を思い起こす。

Note du Jour: Pink Pepper
08/22/13 13:11:49
By: Elena Vosnaki


冒頭、このところ新作フレグランスによく使用されるようになったピンクペッパーについて、ローズやムスクのような「ユビキタス」(「いつでも何処でも誰にでも」を意味する?)と表現されている。フレグランスの香料として使用されてきた歴史が比較的浅いがゆえの陳腐化への懸念?

先に私の主観的な印象を語ると、ピンクペッパーはそれ自体魅力的な香料である上、合わせられる香料の潜在的な魅力も引き出すように感じる。活かすも殺すも調香師次第。と言うのも、一目惚れならぬ「一鼻惚れ」してしまったフレグランスにトップノートにピンクペッパー使用のものがいくつかあったものの、それらが全く似ていないと感じたゆえに。

フレグランス用香料という以前に
スパイスとしての魅力も感じていた。
このピンクペッパーを散らしたチョコレートの美味しさは
2年前のコチラの記事「ピンクペッパー・小気味良く香るアクセント」でも記した。

胡椒のような辛さはないけれど、ピリッとした刺激が一瞬脳内に走り、続いてまぼろしのようにうっすらと、甘い花のような果実のような空気が通り抜ける。ほんのり残る樹脂のようなぬくもり。こんな匂いはなかなか無い。だからこそ新しい香りの創造素材になり得るのだと思う。


2013年8月25日日曜日

10言語圏に愛される香りの魅力は、高品質な香料が奏でるストーリー

処暑も過ぎ、猛暑もようやく秋へと向かい始めました。




夏の間何度も手に取りました。
コチラ 、その洗練された爽やかさに感謝したい香りのひとつです。

夏至から始まる夏へ…爽やかで優雅な新作コロン "EAU D'HADRIEN"にてご紹介の香り。オーデコロンですから身体に一陣の清涼感を軽く纏う程度の微香がほんのり残るだけ。強い残香はなく、暑さや疲れから発する身体の匂いのストレスもありません。きわめて繊細で上品な余韻には、さまざまな人に愛される心地良さがあります。

この200mLサイズの箱の中に、ちいさな栞が入っています。
開くと10の言語でブランドの紹介文が記されていました。
筆頭のフランス語に続き、英語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、
ロシア語、中国語、日本語、韓国語、アラビア語。
少なくとも10言語圏には愛されるブランドなのでしょう。

その文章から、いまの私に最も響いた部分を引用してみます。
(仏語・英語・日本語のみ)

…Chaque parfum raconte une histoire et par sa force d'évocation,
nous invite au voyage.

…Each perfume tells a story and,with the memories it evokes,
invites us on a journey.

…それぞれの香りが1つの物語を語り、私たちの記憶を喚起し、
旅へと誘うのです。

確かに香りは、繊細であればあるほど、イマジネーションを喚起させ、
旅をしているような気分にさせてくれます。
今夏の私は特に休養を必要としていたためほとんど遠出せず、
自宅で仕事をしながら息抜きに読書と香りを楽しみました。
読書も香りを楽しむことも、
私にとってはまさしく想像の中で旅をするようなものです。

調香師のカミーユ・グダールさんが
『ELLE』オンライン2013,7,24に掲載されたインタビュー記事で、以下「」のようにお話されたことを改めて回想しています。

「なかでもオーデコロンは旅からインスパイアされた自信作です。「ネロリ」はギリシャのサントリーニ島の真っ白な家々や青い空、アテネで嗅いだオレンジの花でむせ返るような街の香りなどを表現しました。「オーダドリアン」はイタリアへの情熱がテーマで、シトラスとスパイシーなハーブの香りで湧き上がるような感情を刺激します。「アニック グタール」が人気なのは、誰もが感じる香料の質の高さにあります。“ローズ”ひとつとってみても、50以上もの香気成分でその香りを表現しているので、奥深い香りを味わってもらえると思います。」

2013年8月23日金曜日

波多野 光個展 『白い花』・STYLE'S CAKES & CO.にて9/3から

イラストレーターの波多野光さんから
涼しげな白い花が描かれた個展のご案内葉書が届きました。


波多野光『白い花』
これは波多野光さんご自身のWebサイト上のご案内ページです。

モノクロームで描かれた白い花。
清楚でありながら奥深い香りを感じます。

2011年の個展のとき、私は
コチラ で「 」のように綴っていました。

「波多野光さんの描く植物。その妖しくも流麗な曲線の中に、生きものがただ生きるためにひたすら生きている軌跡を感じ、痕跡としての香りを想像しました。」

今回も拝見したいと思っています。

9/3から13日までの10日間。
展示されるのは
STYLE'S CAKES & CO.
という、とびきり美味しそうなケーキ屋さん、というのも嬉しいです。