2011年1月19日水曜日

「香水のゴールデンルール」読後1

遅ればせながら入手。昨年末に原書房から出版された現役女性調香師の著書。
ここは、時間経過にともなって華麗に変化する香りのように、この本を購入読後第一印象をトップノートに見たてて記しておきたいと思います。

まず気に入ったのがタイトルの言葉の潔さ。「ゴールデンルール」!
まずは自分が読み、香水を知りたい他人にもすすめたくなるフレーズです。
新間美也(しんま みや)さんという著者のお名前も魅力的。以前ファッションサイトで服飾史家の中野香織さんとの対談を拝読し興味を抱いていたところです。
お名前を一度目にして忘れられなくなりました。

装丁のビジュアルにも魅かれました。表紙…真っ白な中、中央にタイトル、その上に鮮やかなフルーツカラーの衣装をまとう女性のイラストがひとつ。めくると、表紙のスノーホワイトによく映えるレッドが一面に。こうしたモノとしての美観も本の魅力のひとつ。大切に読みたくなります。




さて内容を一読。
幼少期以来誰に教わることなくフレグランスを使いはじめ、感覚的に選び、服を着るように、生きるために、当たり前に使ってきたフレグランスと自分との関わりを見つめ直せたと思います。

特に第2章「個性からの香水選び」を読み、パーソナリティを知るキーワード選びをして感じたのは、私にとって個性とは何なのかということ。私は毎日違うと自分では思っています。毎日気分が違い、着る服も着方も違い…時間の流れ方も違うから。一瞬一瞬の個性表出、というものならいえるかもしれないけれど…そうちょうどツイッターの呟きのように。

でも私のパーソナリティをこじんまりといくつかのフレーズでまとめるのは難しいし、限定すると私自身は窮屈になってしまいそう。他人からよく言われるキーワードは確かにありますが一定ではない。いまの価値観の傾向は自分でも言えそうですが。そのときごとの自分が求める空気に似合うか、その積み重ねが一つの傾向を提示するかもしれませんね。これまで自分が好んで着ていた服、髪型、選んできたいくつかの職業を見直すと見えてくるものが…。あえて言葉にしていく作業の中でおおいに発見があります。

今どんな気分か。それが今のパーソナリティ。そのときごとに出会えた人がその印象で私をとらえるでしょう。一瞬も一生もきらめいて…とどこかの化粧品のPRコピーにありましたが一瞬を大切にすることが継続して一生になるなあと。

読後のトップノートはこの位で。

2011年1月18日火曜日

茹で鶏で美しく

今夜も7時半頃ようやく自宅付近着。疲れてはいるものの外食はしたくなく、なにかササっとつくって9時にはのんびりしたいなと…さて何を手早く作ろうかと思ったとき、いつも考えるのは茹で鶏メニュー。

コラーゲン+ビタミンC入りのスープと蛋白質豊富な鶏のソテーという皮膚に嬉しい2品が同時にできること、鶏肉に合わせて必ず使用する生姜が身体を温めて代謝をアップさせてくれること、油をほとんど使わないので料理中周囲に料理臭がたちこめないこと…この3点が特に私のような仕事の女性にとって嬉しいポイント。

まず鍋に水、塩、生姜スライス、長ネギ一本ザク切り、大根千切りをいれて軽く沸騰したらそこへ少量の料理酒と鶏肉投入。皮付き胸肉ブツ切りまたはササミがおすすめ。

再沸騰してアクをとり、中火で5分程度茹でたらいったん火を止めて肉だけを取り出しフライパンへ。肉に塩少々、オリーブオイル、好みの香辛料をひとふりしたら強火で片面に軽く色がつくようソテー。このときフライパンには蓋を。熱効率のためだけでなく匂いや油ハネ防止のためです。

ジュ…といかにも焼き色がついた音がすると思ったら肉を裏返し、さらに予め手でちぎってさっと洗っておいた野菜(キャベツ、レタス、白菜)や、薄く千切りにしておいた人参などを投入して再度蓋をして中火3分。蓋をあけて全体をよく混ぜ、好みの味で仕上げます。シンプルに塩だけを足すならどんな香辛料とも合いますが…くれぐれも最初に選んだ香辛料に合う野菜と調味料選択をするように。

さてスープ。一度味見をして塩加減が足りないなとおもったら塩か醤油を少量ずつ足して調整。ワカメなどがあれば投入して再沸騰すれば出来上がり。

事前にご飯が炊いてあればベストですがなければ、スープにうどんをいれても良いと思います。塩の量は私は控えめですが、特に寒いときや体調によって欲する量が違うので味覚本能に委ねてみます。自分の感覚に問うことが肝心。

今夜もこのメニューで疲労回復。身体も温まり、ホッと一息です。
美しさは丈夫な皮膚と活発な代謝から。簡単につくれると精神的にもラク。食事後も料理の匂いが残っているとなんだか興ざめですが、この方法ではそんなこともなく…直後のお茶タイムにも邪魔になりません。





白ブラウスとEcume de Rose

昨日外出時に着たのは、新疆綿のつややかな光沢の白ブラウス。胸元にゆったりとしたフリルが流れ、つやのある素材感がひきたっています。襟の形もシルエットもごくごくシンプルなのですが、この白の光沢がまさにシルクのような質感で、当初ダークカラーのジャケットを合わせようとしていた考えが変わってしまいました。

選んだのは鮮やかなブルーのカーディガン。ブラウスを着たシルエットをそのまま包み込む、ややタイトなニット風ですがこちらも実はコットン製。白の上にこの、太陽を浴びてきらめく海のようなブルーを重ね着したところ、ひとつのフレグランスを思い起こしました。

Ecume de Rose(エキューム ・ド・ローズ)という名のその香りは、パルファン・ロジーヌというブランドのもの。エキュームとは、海面などの泡を意味するフランス語女性名詞。かつてこの香りを気に入って選んだとき、私がイメージしたのは海の泡のような繊細な花でした。軽やかな海風にゆられて、一瞬見えたと思ったらあっという間に消えて…再び波の音と共にしなやかにすがたを現す…そんなイメージです。

天然のローズ香料も使用されているようですが、どこからともなく…私の好きな「ベチバー」という深い緑を想起させる香料のぬくもりも感じられ、しっかりと大地に根付きながらも海風と戯れる花の姿が浮かびます。

ブラウスを着る前のウエスト部分、膝と足元に軽くスプレーしたあと、もうすぐウエストラインに届きそうな髪先にも軽く一拭き。
白のブラウスに青のカーディガン、グレーのスカートという服装に、ささやかな春の海風をのせての外出となりました。忘れたころにふっと香るやさしさに励まされて、和やかな時間を過ごせたと思います。





2011年1月16日日曜日

バラ科の植物

そろそろ幸先よく春を告げる梅が開花します。すでに冷気の中にもふんわりと甘い香りが漂ってくるのでどこかで咲き始めたのだろう、と嬉しくなります。
梅の花の芳香は古来から日本人に愛されてきました。梅の香りを歌ったものも多いです。確かに一度感じたら忘れられない可憐な香りです。




さて、梅に始まり、桃、桜、杏(アプリコット)、リンゴ、イチゴ…そして私の日常食となっているアーモンドもすべて、バラ科の植物でした。眺めて美しい花、花や実の独特な芳香…すべて私が大好きな植物ばかりです。そもそもバラの香り自体が大好きなので嬉しくなってしまいます。

アーモンドといえばビタミンEの含有量の豊富さが特徴。ちょっとした栄養補給と細胞の老化防止(抗酸化)のための天然サプリメントとして私は常備しています。さらに、アロマトリートメントのために精油を希釈する植物油としてもスイートアーモンドオイルをよく用います。ほのかにアーモンドの優しい香りのするこのオイルにローズ・オットー精油を希釈すると、一段と柔らかな香り方になるのも、まさにバラ科同士ゆえかもしれません。

2011年1月15日土曜日

香りをプレイ

たとえばどんなに名曲であっても、その演奏がよくなければ音楽としての素晴らしさが伝わらないように、香りも、程よく「聞ける」香らせ方でプレイしないと伝わらないなと常々実感しています。

具体的にいうと例えば強さ。
ついつい感覚的に近いと思っているせいか音楽に例えてしまうのですが、好きな曲でも大音量で聞きたいときとほのかにBGMで聞きたいときがあるでしょう。さらに素晴らしい曲とわかっていても音量次第では邪魔になってしまう…香りは特に強弱によって全く感受のされ方が変わり、香料原液では強すぎてとても良い香りと思えなくても、かなり薄められていくと好感をもたれるようになることが多々あります。


清々しいベルガモットの香りを閉じこめた小箱。
香りの栞をつくるために美篶堂で入手した上質な紙片を入れておいた。ほのかな香りがフェイドアウトしていく流れがよい。2日目の夜、小箱を開けると、かつて感動して味わった英国製アールグレイを思い起こす。


上記は昨秋ツイッターで私がつぶやいた内容です。ベルガモット精油原液を紙片に直接滴下した状態では強すぎて、という方もいらっしゃるので、原液を染み込ませたコットンから揮発する香りをその上に並べた紙片に移らせるようにしたものでした。この方法は昨春薔薇の香りをジャズピアニストに音楽表現頂いたコンサートでも行い、ほのかな香りのカードに一般の(香りを専門とする職業ではない)方にも心地よく感受されたようでした。非常に好評をいただき、このカードの作り方を何人もの方から問われましたので、連載中のパレチカWeb上のブログ「カードに薔薇の香りを」で詳しく方法を記しました。

かつて日本の平安時代の貴族社会において、すれ違うときにフワリと雅びな香りが立つ「追い風」が用意されたように、いかにさりげなく優雅に香りを演出(プレイ)するか。これからも考えていきたいと思います。

2011年1月13日木曜日

Higher (Dior)

先日香水マニアの方からの電話を受けてしまい、「メンズフレグランスのおすすめは…」などという質問をされてしまいました。一度でも会っていれば何らかのアドヴァイスをとは思いますが、面識のない方には安易にフレグランス名だけをあれこれ挙げることに抵抗があり、ご自身で調べてお探し頂ける方法をやんわりとお伝えしてしまいました。

その後、私にとってのメンズフレグランスは…と改めて考えていたら思い起こしたのが、"Higher"という名前のDiorの香り。他人から頂いたのでもなく確かに私自身が某百貨店で購入したのです。プレゼントではなく、自分自身のために。







爽やかなシトラスとウッディの流れに柔らかく絡んでくるのがローズマリーやサイプレスのアロマティックなハーブ。とにかくその名のとおり、天高くひたすら上を見上げたくなるような気分にさせてくれるのが魅力でした。私自身も時々足元にまとっていたものです。

何と発売年は今から10年前。2001年でした。調べてみたらいまも販売されているようです。そうそう、翌年2002年に開いた香水鑑賞会で、最新香水が並ぶ中「前年のものですが…」と、この"Higher"をご紹介したところ早速お気に召して直後に購入された女性がいらっしゃいました。

さてその後、私とリアルに面識のある知人男性が、最近の香水にいまひとつピンとくるものがないというので相談にのりました。最近ガラリと仕事の方向性をチェンジしてリベンジするのだと意欲に溢れたご様子。そこで高くたかく上を見上げるイメージの"Higher"の情報を伝えたところ、早速使ってみて良かったとのことで嬉しいご報告。知人の男性にこう言われたのだとか。

「いい香りですね~何ていう香りですか」

さすがに10年前の香りだけあってそう多くの人は着こなしていないようです…が時を隔てて逆にフレッシュな印象を生むのもファッションならでは、フレグランスならではの魅力かもしれません。"Higher"に限らず、時をわざとずらした使い方で新鮮な魅力を感じられるのも香りならでは。香りのコンセプトによっては、時とともに成長した人の変化を物語るかのように、使う時代ごとに新しさを感じることもあるということでしょう。

2011年1月12日水曜日

アロマセラピスト

アロマセラピスト。香りを用いてリラクセーション・癒し・心地よい時間を提供する人。このような職能者にふさわしい服装とはどのようなものでしょうか。
これまでの私のアロマセラピスト活動をふりかえりながら感じてきたことを挙げてみたいと思います。

まず、髪型や服装、立ち居振る舞いを含めた全体像がエレガントであること。これが第一条件です。「香り」という目に見えない感覚から個人はさまざまなことを想像するものですが、お客様には肯定的な印象、「素敵」「心地良い」「優美」といったイメージを想起していただきたいからです。

"élégant"(フランス語・形容詞)を、辞書で調べると次のように記されています。
1,優雅な、優美な、上品な、洗練された、粋な。2,手際の良い、気の利いた、(野暮ったい、すっきりしない、の逆)

上記1、2に共通しているのは、肯定的印象であること。形容詞的キーワードとしては「優しさ」「美しさ」があり、こう感じさせるものであることはどうやら必須であるようです。さらに「洗練」や「手際のよい」「気の利いた」という言葉から私が解釈したのは、よく熟考され、試行錯誤の上に磨かれて残った作法、無駄がなく違和感を感じさせない、といった状態です。

たとえば初めてお迎えするお客様とその日の状態・香りのお好みをうかがうコンサルテーションからアロマトリートメント施術、お見送りまでを行うアロマセラピストの場合。エントランスで初めて見られるのは顔を含めた上半身。清潔感と信頼感のもてる笑顔というベースの上にさり気なく

「私は…なんだか素敵な特別なところに来た」

と感じさせるファッション要素があってほしい。例えば、トップスとして着ているものが艶のある光沢、もしくは優美なシルエットを一見で感じさせる、健康的な皮膚が程よく見えるデザインのものであってほしいと思います。
そしてトリートメントルームへのご案内で全身を見られます。第一印象で視覚がとらえた上半身に違和感なく似合うボトムスが歩き方とともに優雅に見えたら理想。この全身から既知の他の職業や場所を想像させないように。全身真っ白では医療従事者…シルエットによっては保育士や介護士…エプロンの使い方によっては飲食店従業員…。インテリアの色調になじむことも大切ですが、このような現実的な想像を導かないようなエレガンスを目指したいものです。

アロマトリートメント施術がしやすい、という機能面ももちろん大切ですが、お客様は視覚も含めて五感トータルで心地良さを求められます。ラフになりすぎてはせっかくの芳香も優雅に感受されません。香りの感受とともに、トリートメントを受けるならば施術者の優しい手によるタッチで心地よくなることにも浸っていただく、まさに非日常的な時間と空間。「私はいま、特別な場所にいる」そう思っていただけるファッションを目指したいものです。