白い花にはある種特別な印象を抱いてきた。大切な場面で私はよくこの色を装う。なぜなのだろうかと考えてみた。その凛とした佇まいに気分が一新され、自らの体内に潜む温かさや複雑な想いが新しい華やぎを持って香り出すからかもしれない。
花の匂いは必ずしも甘くはなく、多種多様。色々な植物の姿、花の表情を観察していると、いずれにもハッとさせられる強さがある。そうした佇まいが、人に装われることによって気品を醸し出すと想定された洗練を持つフレグランスは新鮮だ。
白い花にはことのほか、独特の潔さがある。
ホワイトフローラル。
この解釈を再考するきっかけとなった
フレグランスが、前回の記事
http://sawaroma.blogspot.com/2020/11/canomaliberta-perfume.html?m=0
でご紹介の《LIBERTA PERFUME》
による《White Floral 》。
実にミニマルな抽象化であると思う。
白い花そのものの匂いなど超え、
その凛とした佇まいが香りとなっている。
第一印象の清々しい緑感から、透明感のある白い花の輪郭へと、静かに、密やかに香る。いつの間にか、纏う身体の体温と一体となった曲線的な余韻。この生きた纏う身体あってこそのまるみが、儚くも凛とした気品を醸し出す。
微細な一瞬。
白い花の凛としたきらめきはほんの一瞬。だからこそ麗しいのだろうし、余計なあれこれなど要らなかったのだ。フレグランスというものは、人が纏って初めて良い匂いの香りとなる。だからフレグランス自体はもっと洗練されたものであって欲しい、と改めておもう。
…écrit par 《SAWAROMA》