2014年7月30日水曜日

さわやかな香りの白い花・マダガスカルジャスミン

昨日の新作フレグランス発表会
にて
新作の香りのKey Noteの一つであり
そのさわやかかつ優美な香りが印象的であった
マダガスカルジャスミン。

ジャスミン、とはその芳香から名付けられたものであり、
いわゆるモクセイ科のジャスミンではないそうです。

実際に発表会場エントランスに
生きている本物のマダガスカルジャスミンが飾られていたので撮影。
濃い緑の葉とともに、流れるような蕾の曲線が素敵。
本当にすがすがしく麗しい香り。


案内してくださった方によると
最初テラスの方に出してみたそうですが
ハチが沢山集まってきたそうです。
さすがの芳香。

エントランスのサイドにも
白いキャンドルとともに流れる白い蕾。



その美しい花の姿は
マダガスカルジャスミン(みんなの趣味の園芸 NHK出版)で発見。

2014年7月29日火曜日

忘れ難い誘惑の香り・LOVE STORY / Chloé 発表会

真夏の夕刻。
マダガスカルジャスミンに縁取られたエントランス。
9月10日発売予定の新作フレグランス発表会へ。



メタルが縁取る貴重なジュエリーさながらに。
プリーツを寄せたクロエの新作ボトルが一面に飾られていました。



さわやかな白い花のエレガンス。
きらめくようなみずみずしさの奥に秘められた
忘れ難い誘惑の香り。



愛のおまじないのごとき南京錠を想起させるボディと
ナチュラルなエレガンスを象徴するさりげないリボン。



新しい香りの名は
LOVE STORY。



パリの夜。彼を魅了するヒロインはクレメンス・ポエジー。



新しい香りが表現するのは自由な女性。
彼女の香りは彼を魅了するけれど、決して彼のものにはならない。



シンプルでありながら奥深く、記憶に刻まれる余韻。
会場はみずみずしさと至福の優雅さに溢れていました。

白に統一されたテーブルで
シャンパンとともに本日の記念にいただいたのは
新作ストーリーにちなんだ香りあふれる4品。



香りとともに過ごす時間を経て
改めてこのフレグランスについて綴りたいと思います。


情報提供
コティ・プレスレージ・ジャパン株式会社 クロエ フレグランス

ブルーベル・ジャパン株式会社
香水・化粧品事業本部
カフェデパルファム

2014年7月27日日曜日

SAYS FARM(氷見市・富山県)のメルローワイン

ピュアな葡萄の躍動感。
美味しいメルローに出会いました。



ちょっと熟した果実のふくよかさが
口の中でみずみずしく移り変わり
余韻にあたたかみのある甘さを残してくれます。

金曜日に開栓したときの美味しさは
3日後の今日もさらに深みを増して健在。

私の故郷、富山県。その港町、氷見。
美味しいものをたくさん思い起こしてしまう所。
北アルプス、富山湾、氷見の丘陵地。
この土地を活かして丁寧につくられた
SAYS FARM
ワインです。
オーナー制 も魅力的。


富山県産の「ふじ」を100%使用し、
ブルターニュ地方の製法に倣って製造した辛口微発泡性のお酒、
コチラ も素敵。
その芳醇な香りを想像するだけでも嬉しくなります。







2014年7月25日金曜日

衣装は語る・魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展/国立新美術館

「青神」(インドの神さま)の衣装をポスターを初めて見たとき
青を引きたてる周囲の色彩の素晴らしさ、
精巧なモチーフの組合せに目を奪われました。

実物を鑑賞できる貴重な機会が訪れました。

魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展/国立新美術館
Ballets Russes: The Art of Costume
へ。


黒の背景に仕切りなく、バレエ・リュスの歴史に沿って演目毎に衣裳が等身大で展示されています。まずはこの雰囲気に引き込まれ、衣装ひとつひとつが語りかけるダンサーの演技に秘められた心情や華麗なその動き、流れる音楽を想像。

衣装そのものの他に、貴重なモノクロ写真やスケッチの展示、演目ビデオ上映もありました。途中、誘惑的な恐ろしさを香らせる「タマール」の衣装に一瞬凍りつき、「青神」、「オーロラ姫」、「青い鳥」の繊細な美しさに魅かれつつも、マティスによる大胆なデザインに足を留め……ガブリエル・シャネルが衣装を担当した「青列車」(1993年公演)は面白くて2回も鑑賞。

2時間は滞在したでしょうか。
ふと気がつくと長袖ブラウス着用の私でさえ身体が冷えていました。
衣装のために展示会場はかなり強く冷房がきかされているようです。
とはいえ、鑑賞内容の素晴らしさがすぐに心から身体へと伝わり
いつもの体温にもどりました。

会場出口のショップでは
『薔薇の精』を踊るニジンスキーのフォトカードとともに
6月に発刊されたばかりのこちらの本を購入。


ビジュアル版バレエ・ヒストリー バレエ誕生からバレエ・リュスまで
芳賀直子 (著)/世界文化社
はページをめくるたびに貴重な写真の数々に見入ってしまいます。

私と芳賀直子さんとの出会いは
『ディアギレフとバレエ・リュスの世界』・芳賀直子氏講演録〜記憶に刻まれた『薔薇の精』に始まり、以来ディアギレフは私にとって芸術やファッションを語るには欠かせない人物として記憶に刻まれていたのでした。

20世紀初頭、フランスで衰退しかけていたバレエを、芸術を妥協なく追求する進取のディアギレフが、当時芽生えていた類稀なる美の表現者を発掘しながら総合芸術へと発展させたのです。
広く世に芸術の価値を伝える…こうした情熱の軌跡は、ヨーロッパの先人に多くを学ばなければならないと改めて実感します。






地域の魅力を香りで表現・イメージフレグランスコンテスト


AEAJイメージフレグランスコンテスト
の作品募集が本日7/25から始まったそうです。

今年2014年のテーマは会津。


AEAJでは、(精油)を利用したテーマに合ったフレグランス作成により「香り」や「香りある風景」に対して意識を留めていただきたいという考えに基づき、2002年よりこのようなコンテストを開催されています。

2013年神戸
2012年平泉
2011年伊勢
2010年北見
2009年静岡
2008年東京タワー
2007年「2007かおり風景全国フォーラム in 京都」
「源氏物語千年の香り」
2006年「2006新宿御苑のかおり風景」
2004年「かおり風景 全国フォーラム in 高野 」
2003年「かおり風景 全国フォーラム in 別府 」
2002年「かおり風景 全国フォーラム in 松本」

日本、
と一言で言われがちですが
上に挙げられただけでも
こんなにさまざまな背景をもつ地域があるのです。
気候風土に適応しながらそれぞれの地域社会で築かれた文化を
香りとともに捉え直す素敵な機会になりそうなコンテスト。

ふと、20代の頃、ROMAというフレグランスを愛用していたさなかにイタリアに行く機会が訪れて感激したことを思い起こします。

今年も会津の魅力を香りを通して再発見できますように。


2014年7月23日水曜日

新たな香り講座(PALAIS AROMA SCHOOL)に向けて


このたび
1997年開校以来多くのプロフェッショナルを輩出され続けているPALAIS AROMA SCHOOL (パレアロマスクール) 代表、マレーン・澤田さまよりお声をかけていただき、今秋より新たな香り講座の講師を担当することになりました。

その先行体験ワンデイセミナー
「五感に働きかける香りの力」; 調香クリエイティブセミナー
「香り」から磨き直すクリエイティビティ
〜原点の感覚、嗅覚から自由な発想を掘り起こす〜のご案内は
「パレアロマスクール」WEBサイトトップページ
に記載されています。

おかげさまで3日後の先行セミナーには
すでに定員に近いお申し込みをいただいているようです。
非常に有難く感じるとともに
私のブログでも
この講座の目指すものを少しばかりお伝えしたいと考えました。

キーワードは「美的感受性」。
香りと向き合うことで、あらためて「美」とは何かを自らの感覚に問いかけることから始めます。月並みな既成概念やお墨付きなどは一旦忘れます。

自らの感覚を研ぎ澄まし、外部刺激への「観察」を積み重ねることによって得られる審美眼は本来、人のあらゆる創造活動、表現活動において不可欠です。
このプロセスなしに、イメージは描けません。
香料素材や扱い方の知識ももちろん重要ですが
それを扱う以前に、そうした素材を使って
何を創るのか、何を成すのか。
イメージとビジョンが描けなければ
香りのカタチを創ることには至らないでしょう。

「調香」という言葉から、
すぐに完成されたフレグランスや
なんらかのイメージのカタチをもった香りをつくること、
を想像されるかもしれません。

「調香」は「試し」研究段階の過程であり、
「調合」とは製造段階の作業である。
…『香りの創造』/エドモン・ルドニッカ著 曽田幸雄訳/白水社p69より

イメージのカタチ、というものはヒトの脳が生み出すもの。
膨大な記憶と、常に浴び続けている感覚への刺激から得る情報。
これらから発しうるイメージをいかに組み合わせて
創造への第一歩、着想につなげるか。
私がこれまで大学での講義で実践してきた手法をさらに進化させつつ、香りから美的感受性、イメージクリエイションの第一歩を探る講座にしたいと考えています。

ちょうど今年1月。
「香り」の未来を考える〜 Michel Roudnitska 氏の言葉よりを書きました。この時点で感じた問題意識を、その半年後に実践できる機会に恵まれたご縁を嬉しく思っています。


夏三景(Forest ・Lavender・Sunflower)

今年も本格的な夏がやってきました。

夏を心地よく感じたいときに
時折眺める三つの風景。


Forest…8月、札幌・北大植物園内にて




Lavender…7月、中富良野町・ファーム富田にて




Sunflower…7月、ブルガリアにて



全て撮影年は異なります。

かけがえのない夏の記憶。
清々しい香りや
きらめく太陽の光とともに。

2014年7月21日月曜日

《VENT DE FOLIE》・アニック グダールの新たな旋律

先週16日の記事でご紹介の「香水の日」イベント会場にて
ひときわ華麗に並んでいたアニック グダールのボトル。


ボトルの形とともに
このような並べられ方もこのブランドの世界観を表現。
空気にリズムが流れそう。
創業者の初代調香師、アニック グダールは
かつてピアニストであったということを彷彿とさせる。

さて、9月に新作デビュー。
日本では9月3日発売とのこと。
名前は《VENT DE FOLIE》。
直訳は「狂気の風」…
すこし想像力を働かせてみよう。
どこからかいつのまにか
自然が運ぶ、この上ない空気を体感できる喜び、
なのかもしれない。

Annick Goutal Vent de Folie
06/25/14 00:05:13 (3 comments)
by: Sandra Raicevic Petrovic


ブラッドオレンジやブラックカラントのきらめく太陽の光にはじけるフルーツのみずみずしさに始まり、可憐なスイートピー、力強いゼラニウムの華やかさからしっとりと密やかなウッドの温もりへ。

秋の静かな空気に映える
この上なく優美な旋律を感じるような香りを期待。

情報提供
ブルーベル・ジャパン株式会社
香水・化粧品事業本部
カフェデパルファム





2014年7月20日日曜日

ドライ・清見オレンジの深い色から香る、蜜柑のコク


コチラ で記したドライ・ニューサマーオレンジに続き
清見オレンジも、と翌週たずねたところ売り切れ。

先日ようやく入手。味わってみました。
ニューサマーオレンジよりも深い深いオレンジ色。


ゆっくりと口の中でジュースを感じていると
懐かしい温州蜜柑のコク。
上品な甘みに
かすかなオレンジスイートの華やかな香りがかすめていきました。
ドライならでは。

北海道在住の知人に
ニューサマーオレンジと清見オレンジのドライを送ったところ
その美味しさにいたく感激とのご返事をいただきました。
あらゆるものが本州よりも美味しい北海道ですが
さすがに柑橘王国愛媛のオレンジの素晴らしさは伝わったようです。

今朝も食欲のない中、清見オレンジドライで元気になりました。







2014年7月16日水曜日

À la rose(メゾン フランシス クルジャン)・香水の日に日本限定発売

香水の日 が生まれて5年目となる2014年。ブルーベル・ジャパン主催の「香水の日」プレスイベントに出席してまいりました。

今年のテーマは「香り、輝く」。
香水の原点である「ライフスタイルを美しく彩るもの」を強調。

薔薇をこよなく愛し、現代の形の香水を世に広めたと伝えられる
マリー・アントワネットをナビゲーターと設定されています。
これを受けての2014年フレグランス アンバサダーは
宝塚時代にマリー・アントワネットを演じられた花總まりさん。


コチラ にも記されているように、宝塚歌劇団100周年目にふさわしいキャスティング。艶やかなピンクのグラデーションが花びらのごとくふんわりとしたドレスにつつまれ、輝く笑顔の花總さん。

最初にご紹介されたのは
まさしく香水の日、来る10月1日発売予定の《À la rose Eau de parfum》。
メゾン・フランシス・クルジャンの香りです。





凛として繊細な気高さ。
グラース産センティフォリアローズのみずみずしい愛らしさが十分に生かされています。目を閉じると柔らかなピアノやヴァイオリンの音色が聴こえてきそうです。音楽を愛し、慣習にとらわれず自由な心を秘めていたマリー・アントワネットの精神性をも彷彿とさせる素敵な香りでした。

日本限定となるこの香り。
調香師、フランシス・クルジャン氏によるプレゼンテーション。
バレエのエトワールを目指していたこともある彼の立ち姿は
彼の創る香りさながらに凛としていました。


2004年とは
クルジャン氏がマリー・アントワネットの香りを再現する試みを行った年。
そのときの香水は実際にヴェルサイユ宮殿で2005年に限定販売されたそうですが、
このあたりの詳しいいきさつは『調香師が語る香料植物の図鑑』p163にも記されています。

À la rose…それは、「バラを持つマリー・アントワネット」。
エリザベート = ルイーズ・ヴィジェ = ルブランの描いた肖像画のタイトルです。
10月1日。この気高い香りで多くの日本の方々が
華やかな気持ちにつつまれますように。

情報提供
ブルーベル・ジャパン株式会社
香水・化粧品事業本部
カフェデパルファム

2014年7月11日金曜日

札幌にて講演いたします(AEAJ 地区イベント AROMA SEMINAR)

来る7月13日午後。
私は札幌にて
『多分野に活かす「香り」の価値を伝える』
をテーマに講演いたします。

これは
公益社団法人 日本アロマ環境協会が主催する地区イベントアロマセミナー今年度春夏期イベントのセミナーテーマの一つでもあります。

昨年6月には金沢にて薔薇の季節にちなみ、コチラの記事にてお伝えした内容の講演をいたしました。

今回は、国際的にも観光地として名高い北海道の皆様に
「香り」という一つのテーマが
人の文化活動における様々なジャンルに活用し得る可能性を
私が実践してまいりました事例からお伝えできればと考えています。

コチラがそのご案内リーフレットの全内容です。


上の写真はその一部、札幌セミナーのご案内ページです。

リーフレットでも記している
『自然科学概論』からの事例では
香りの記憶がくれた贈り物に書いているように、人間という自然が、植物という自然にその香りを感覚を通して対面し学び得ることの一端をお伝えできればと思います。
2013年度まで9期に渡り実践した大学講義『ファッションとアロマ』からの事例では、18 visual works from 12 kinds of aromaー 文化学園大学 けやき祭にてでご紹介した香りによるヴィジュアル表現へのクリエイション導入の成果についてお話するつもりです。

多分野に活かす「香り」の価値を伝える。
キーワードは可能性と価値。
このどちらにも直結する人間の感覚が嗅覚です。
価値。何に価値があるのか見えにくい時代です。
多くの方々に今あらためて
嗅覚情報の大切さを感じていただけますように。

2014年7月9日水曜日

鏡の近くで香らせたい《SENSUAL》


イマジネーションと記憶のハーモニーに浸り
特別な気分に浸りたいとき、鏡の近くで香らせたい。


イランイランのおおらかな花の官能性が
ライムのみずみずしい躍動感、
ネロリやサンダルウッドの温もりと調和しながら
清楚な印象と共に奥深い神秘性を醸し出す。

ムエットに1滴。
化粧台の鏡の横に挿しておくと
いつしか見えないSENSUALな香りにつつまれ
スキンケアやメイクアップのひとときを楽しむことができます。

今からかれこれ10年近く前。
二期倶楽部 アロマトリートメントサロンのディレクターとして監修に携わっていた頃、サロンを訪れるゲストのためのリラクセーション、およびトリートメント用に私が調香した香りの一つです。

サロンの現ディレクターによると現在も活用されているとか。懐かしくなって久々に取り寄せてみました。季節を問わず、あたたかな官能性に浸りたいときに。

《SENSUAL》の詳細はコチラ







2014年7月6日日曜日

ドライ・ニューサマーオレンジのやさしさ・愛媛から

キャンディの甘さは私には強すぎて
一粒すべてがなくなるまで口の中にキープすることができない。
無花果や杏などのドライフルーツですら
ワインやチーズなどと一緒でないと甘すぎると感じてしまう。

先週、エキュート品川で発見したドライオレンジ。
愛媛の10ファクトリー
のニューサマーオレンジ。



写真では赤味が強く写ってしまったが
実際の色はもっとかろやかな黄色に近いオレンジ色。

このドライ・ニューサマーオレンジ。
一口サイズにして口の中へ。
柔らかくなるまで噛まずにじっと味わってみる。

じわーっと鼻にぬけていく穏やかなオレンジの香りは
ドライ特有の凝縮されたようなナチュラルな蜜の甘さを含み
爽やかな酸味とかすかな渋みで
それはやさしいあまみ。

すっかり口の中で柔らかくなったオレンジは
果肉周りの白い部分が
歯にまとわりつくこともなく
すうっと喉の奥へ。

これは私にとっては
何よりのオレンジキャンディ。
来週の出張前にもエキュートに寄って
清見オレンジのドライも試してみようかなと。
(いま期間限定でエキュート品川に出店中)



今日も食後の
ニューサマーオレンジドライ。
程よい酸味のおかげで口の中もスッキリ。
いきなり噛むと歯にまとわりつくので噛まずにじっと溶かして。

こんなふうにそのままでも味わうのはもちろん
紅茶やワインに入れても香りがひきたつはず。
サラダやマリネにさりげなく入れてもいいかも。



2014年7月4日金曜日

ブラッドオレンジの香り


7/1の記事、
「揺るぎないレッドボトル再び・Fendi L'Acquarossa Eau de Toilette」中のFendi L'Acquarossa Eau de Toilette、トップノートにはブラッドオレンジが使われているとのこと。

ブラッドオレンジ。
私の大好きなオレンジ。

フレッシュなブラッドオレンジ(タロッコ)を頂いた時の記憶。

アントシアニン紫が散りばめられたオレンジ色は
いつしか深い血液のような赤にみえてきて。
ブドウのように複雑な、コクのある味わい。
深いかと思いきや爽やかに流れていく、凹凸のある立体的な香り。

ちょうど数週間前。
これぞブラッドオレンジ、と感激しながら味わった
イタリアのブラッドオレンジストレートジュース。
青山の紀伊国屋にて、パニーニに合わせて。


ただ甘いオレンジではなく
独特の旨味、酸味やほのかな渋味とバランスのとれた味わい。
疲れも癒されそうなだけでなく
パワーをもらえたような感触。
それでいて
インパクト溢れていた香りは
いつのまにか余韻軽やか。
まさにイタリア、地中海の風。

というわけでますます
興味深いアクアロッサの新作。






2014年7月1日火曜日

揺るぎないレッドボトル再び・Fendi L'Acquarossa Eau de Toilette

夏が近づくと
昨秋デビューのフレグランスの幾つかから
名前やボトルの形はそのままに
リフレッシュヴァージョンとして登場するものがある。
英語のフレグランス関連記事では、こういうタイプをよく
flanker (フランカー)と表現。

フランカーは大抵
メインネーミングはそのまま、かつ香調の骨格を活かし
オードパルファムがオードトワレになったり
その年その時期の限定イメージに変えたりされているが
ボトルの形は同じでも色も全て同じ、というケースは
あまり見たことはない。

Fendi L'Acquarossa Eau de Toilette
06/23/14 06:18:27 (9 comments)
by: Sanja Pekic

昨秋鮮烈な赤のボトルでデビューした
Fendi L'Acquarossa Eau de Parfumから
フランカーとして新登場のEau de Toilette。

Eau de ParfumとEau de Toiletteの
ボトル、パッケージともにまったく同じように見える。

さすが、揺るぎない芯を秘めた赤。
Fendi L’Acquarossa・生命力と揺るぎない芯を秘めた赤



Eau de Parfum(上の写真はその資料)で
崇高なミューズを表現したキアラ・マストロヤンニは
今回Eau de Toiletteでもくつろいだ女神のような姿で登場。
フランス、イタリアを代表する名優の間に生まれた彼女の表情は
今回も崇高で力強い。

Eau de ToiletteだからEau de Parfumより軽いかといえば
必ずしもそんな単純なものではないだろう。
希釈しているアルコール濃度がEau de Toiletteの方が高いので
夏の高い体温とともに揮発速度も消えるのもはやい、
しかしそれだけに
新作Eau de Toiletteのミドルノートには
Eau de Parfumにはない幻想的なviolet(スミレ)が使われている。

秋に見送った人も
今回はこのレッドボトルを入手したいと思うかもしれない。