夏日到来。
眩しい陽射しを感じながら
MFU主催・第44回ファッションマーケティング研究会(5/14)にてお話致しますでご紹介の
第44回ファッションマーケティング研究会
「ファッション業界におけるアロマの活用と可能性
〜五感に訴える売り場づくりとアロマの歴史文化を学ぶ〜」
に参加してまいりました。
アットアロマ株式会社 代表取締役の片岡郷氏によるお話から興味深くうかがったアロマ空間デザイン事例について、感じたことをまとめておこうと思います。
まずは背景から…
片岡氏によると日本における香りマーケットが拡がり始めたのは1990年代。
ストレス社会という事態が意識されるようになり
ファッショナブルな人達に限らず、多くの方々からも
「癒し」、そして「癒しの香り」が求められてきた時期です。
ちょうど私も1989年の夏、晴海で開催された「香りの時代がやってくる…」
と銘打たれたセミナーを聴講していました。当時CI(コーポレート・アイデンティティ)デザインコンサルティング会社の企画室に所属していた私は、これからの時代のキーワードとなりそうな「香り」に着目した社長の意向からこのセミナーに出向いていたのでした。
高度経済成長時代のように「こうすれば(努力すれば)こうなる(報われる)」の将来設計が何となく描けていた時代とはうってかわり、先の見えない現実に直面、災害や痛ましい事件も続き、世の多くの人達の間に不安な気持ちが高まってきたのは特に20世紀末の10年だったと改めて振り返ります。
そのような中、人はあらためて五感を研ぎ澄ませ、より良くより快適に生きたいと願ったのではないでしょうか。
その手段の一つが、周囲の空間の香りをより快適に、ひいては多くの人達を魅きつける魅力的なものにするためにデザインされた空間アロマなのでしょう。
片岡氏から実際にアロマ空間デザインが導入された
1,全日空ラウンジ
2,SHIPS店舗内
3,LIZ LIZA 店舗内
それぞれの香りを試させていただきました。
1は、すうっと高い空に飛び立つような清々しさ。
高野槙の香りも活かされています。
2は、爽やかでありながらスパイシーでシックなイメージ。
メンズフロアに使用されたようでシトラス、ハーブ、スパイスが香ります。
3,は、はっきりとしたフローラル調。優しい甘さがふんわり。
さすが天然のローズの香料を使用されただけあってインパクトがありながらも
余韻は上品です。女子高生にも大人気。大きめのボトルがよく売れるのだとか。
場に合った香りは
場に合った人の服装、振る舞いのように
その場を居心地良く、素敵な空間にしてくれるものです。
その場の空気をつくるのも人次第。
その場で過ごした時間は貴重な記憶につながります。
最初は消臭目的だったという店舗の多くが
次の段階として、ブランドイメージ、ショップイメージとしての
空間アロマを求められるという事実をうかがい、
視覚とともに嗅覚もフルに活かして最大限の効用を求める…
生き物としての自然なヒトのあるべき姿を感じています。
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