書名は、『20世紀ファッション 時代をつくった10人』。まずは読む前に10人が誰なのかを想像した。一読後、著者のその選択の背景にある明確な視点に興味を持った。
Le titre du livre est
"La mode du 20e siècle /
10 personnes qui ont créé l'âge".
Avant de lire, j'ai imaginé qui étaient les 10 personnes.
Après. avoir lu, je me suis intéressé à la perspective nette
derrière le choix de l'auteur.
出版社からの案内は
こちら。
10人のうち、私は9人の名前をよく知っていた。
いずれもフレグランスを世に送り出している。
かつて香水プロモーションの立場から聞いていた某フレグランスの誕生秘話には、本書を読んで、違う背景があったことも知った。全世界的な視点から見れば実際にはこんな社会事情が引き金となったのかと。そのような流れの中でしかるべきフレグランスが生まれては消えていったのだろう。
以降、本書で選ばれたデザイナーの名を伏せながらの備忘録を記しておきたい。
19世紀末から20世紀初頭に服飾デザイナーがその創造性を発揮できたオートクチュール。このシステムを生み出したデザイナーにより、ドレスメーカーは「技術者」から「創造者」となる。ファッションデザイナーによる初の香水を生み出した人物は、インテリアも含めて生活全体をデザインしようとした。芸術を愛したこの人物にとっては、香りもまさにライフスタイルを彩るために不可欠な要素だったのである。
続くデザイナーはモダニズムの精神のもとに女性身体を一つのスタイルに統合する。時代の息吹を鋭敏にとらえ、可能性を具現化した彼女は、自身の魅力とカリスマ性により今日においても絶大な人気を誇るブランドの名前として生きている。
著者が選んだ10人の中で私が唯一知らなかった人物の存在は貴重だった。このデザイナーがある国に果たした影響は計り知れない。フレグランスに関する話題は記載されてはいないが、この人物の著書は読んでみたいと思った。その著書『わたしの服の見つけ方』は、そのまま香水の見つけ方、人の生き方に応用できそうな豊かな示唆に満ちていそうだ。
20世紀後半、様々な問題意識からファッションデザインを再定義しようとするデザイナーが登場する。この中の1人として日本人が選ばれている。確かにこのデザイナー率いるブランドから生み出されるフレグランスは、いつも斬新な特徴を見せ、私の嗅覚にも驚きという喜びを提供し続けている。
さて、最近私は自身が所有するフレグランスを整理した。厳選した中には20世紀の名香がいくつあった。先ずはこれらの香りが今の時代の空気感とどのようなズレを生じていくのか、あるいは普遍的に魅力を保てるのかを、自らの嗅覚で確認しながら、装う香りの可能性についても考えていきたい。そして次々と生まれる新作について、その香りが今何を問題提起しようとしているかを想像していきたいと思う。
…écrit par 《SAWAROMA》