2024年4月29日月曜日

2024年4月の香景・3本のフレグランスと ATLAS DES PARFUMS




昨年迄とは全く異なる新年度の始まり

行動の変化に感覚が研ぎ澄まされたのか

少しの刺激でより多くを感じられた


時の流れの感じ方

記憶の解釈

心が動く気配の予感

いずれもこれまでとはちがう





春の柔らかな光のように

懐かしいぬくもりが

繊細な新鮮さと共にきらめく

PASSIFLORA COLOGNE

(写真右)

晴れた日によく纏った


どこか可憐な麗しさと

礼儀正しい優雅さを併せ持つ

すみれの香り

LA VIOLETTE 

(写真中央)

細やかに授業したい月曜日や

適度な緊張感を保つために

共に過ごした


青茶と呼ばれる烏龍茶の

複雑で深みのある香りが

初夏のそよ風のようにそっと漂う

Eau Parfumée au thé bleu

(写真左)

徒歩圏内にもかかわらず

未体験だったイタリアンバルを

訪れたいと思ったとき

良さを知りながらも

長らく手にしていなかった

この香りを選んだ



……そんな4月の初めのこと


ルイ・ヴィトンから

フレグランスの背景を探求する書籍

『ATLAS DES PARFUMS 』

(マスター・パフューマー 

ジャック・キャヴァリエ・

ベルトリュード監修)が発売され

フランス語版を入手した






フレグランスの原材料となる

世界中の植物の

美しい写真や水彩画が満載


パフューマーの旅のメモに加え

世界各地を主産地とする

45種の芳香植物の詳細な解説文…


毎日仕事の合間に

フランス語の辞書を用いて

楽しく読み進めながら

香りを想像している




…écrit par 《SAWAROMA》






 

2024年3月30日土曜日

繊細な記憶のように・PASSIFLORA COLOGNE/JO MALONE LONDON




本当に桜が待ち遠しかった3月

寒い日が多く予想開花日は29日


この日に日本で発売となったのが

メメント コレクション /ジョー マローン ロンドン


英国のアンティークマーケットから

インスパイアされたという

限定コレクションの4つの香りとのこと

いずれも手のひらにおさまりそうな

小さな30mLボトル


メメントとは

イタリア語で「思い出の品」

4つの香りから早速入手したのは


PASSIFLORA COLOGNE



香りの説明を読み

柔らかなフローラルアンバーに

2024年らしい新鮮な輝きが

見えるのではと想像


白とゴールドのボトルからは

凛とした気品と優しさが漂い

この春の思い出の品にしたくなる


試香紙に吹き付けられた香りは

実に軽やかで上品

右腕に纏うと

繊細な柔らかさが心地よい



PASSIFLORAとは

私にとって忘れられない

思い出の花

トケイソウ
の学名の一部



この香りのトーンに輝きを添えたのが

こちらも思い出深い

ハニーサックル(スイカズラ)

であるという

そう言えば先月この花が

金銀花とも呼ばれることを

知ったばかり






…écrit par 《SAWAROMA》







2024年2月28日水曜日

2024年2月の香景・4本のフレグランス




静かな冷気に梅花の気配

極寒と早春が入り混じる如月に

和らぎの光や

寒暖の陰影

温もりのような余韻

軽やかな華やかさ





















早春に纏うとほのかな光を感じさせる

2-23 /çanoma



身が引き締まる清々しさは

徐々に漂う濃密な陰影へ

EVA /SANTA MARIA NOVELLA



ふわり優しく奥深い余韻の

LOEWE 001 Woman


春に向かう鮮烈なエナジーを

軽やかに漂わせる

L’EAU ROUGE Nº1 DE CHANEL



いつもより1日多い2月

ゆっくりと春に近づきながら

これまでとは違う弥生の予感





…écrit par 《SAWAROMA》





2024年1月31日水曜日

2024年1月の香景・4本のフレグランス




思いもよらぬ元旦の天災からひと月。

北陸生まれの身には心痛む時間が続き

意識的に静かな時間を過ごしていた。


香りは毎日愛用した。

昨年末に決めたように

これまでに厳選したフレグランスを

適度な距離感を保ちながら。





この1月

特に頻繁に使用したのは

あの羽衣のように柔らかな

Sur tes lèvres. E.Q. /D’ORSAY



さらに

当初は家人へのギフトとして

入手していた

繊細な穏やかさを醸し出す

J’ai l’air de ce que je suis. J.R /D‘ORSAY

も、ひときわ肌寒い日に

安らぎを感じさせてくれた。



自身を高揚させたいときには

深い紫のボトルを。

FLEUR DU DÉSERT /LOUIS VUITTON

白い花の余韻の奥に

スパイスとハニーの独特なコクが絡み

自身の中に確かな陰影を実感させる。



そして

1月も後半になると

昨秋めぐり逢えた黒のボトル、

Mame Kurogouchi のEAU DE PARFUM

を思い起こし

この香りに似合う装いへと

自由に想像を巡らす。

そんな折

偶然この香りによく調和する

なめらかな履き心地の靴に出逢えた。



香りは

自身の呼吸とともに体内に入り

自身の感覚に呼びかける。

毎月の月末に

記憶に余韻として残った「香景」を

綴っていこうと思う。





…écrit par 《SAWAROMA》