植物や虫から発せられる
無数の香りを聞く、一人の少女…。
私はすぐにこの物語に魅了された。
Une fille qui entend les myriades d'odeurs
de plantes et d'insectes…
J'ai tout de suite été fascinée
par cette histoire.
「香り」から導かれる
「生態系」の繋がりの中、
苦難を乗り越えて生き抜こうとする
人間の姿が描かれた
壮大なファンタジーである。
〈香君〉とは、
香りで万象を知るという活神を示す。
遙か昔、香君によって〈神郷〉から
帝国にもたらされたという奇跡の稲、
〈オアレ稲〉には秘められた謎があった。
かつて人々を襲った飢餓の
危機の予兆が現れた頃、
人並外れた嗅覚をもつ少女、
アイシャが見出される。
多くの人には感じられない香りを
聞き取ることができる、
そのことはどんな試練を
アイシャに与えるのだろうか。
そして、その能力を
彼女はどのように生かすのだろうか。
生き物としての
種の一つにすぎない人間は、他の生物と
いかに共存すべきなのだろうか・・・・。
読み進むにつれて
次々と芽生える謎と好奇心。
鮮やかな情景を導く文章。
あっという間に上巻を読み終え、
下巻「遥かな道」へと
読まずにはいられなかった。
2022年春。
タイムリーに本書と出逢えたことを
幸運に思う。
…écrit par 《SAWAROMA》
0 件のコメント:
コメントを投稿