香水とは? 人が自らを香らせるとは?
これまでの歴史はさておき、これからの時代、「装う香り」はどう進化していくのだろう。そんなテーマに挑み、「今という時代の香り」を模索し、形にするチャレンジャーは、まさに現代アーティストそのものだとも思う。
昨日まで開催されていた
SIXIÈME (GINZA SIX 2F)での
《La touche finale parfumée》
(ラ・トゥーシュ・フィナル・パフュメ)- 貴女らしさを引き出す香りとの出会い -」。
https://sixieme.jp/news/2020/10/la-touche-finale-parfumee-pop-up-store.html
ニッチフレグランス・レアパフュームにフォーカスしたフレグランスイベントである。
こちらに参加されていた二つのブランドを紹介したい。いずれの代表者も「フレグランス」への自らの問題意識を具現化した日本人クリエイターである。
まずは幾重もの抽象化が新鮮な《çanoma》。
アルファベット文字、数字、源氏香記号という3段階のヴィジュアルから香りを提示する。
ストーリー性を匂わせるタイトルやヴィジュアルイメージはあえて最初に提示されないので、まずは純粋に自由な感じ方で香りに向き合える。
ブランド名サノマ、という音の響きから日本人は何を想像するだろうか。フランス語でCをサ行で読ませるための綴り字セディーユのついたÇの存在からフランスからの風を感じさせる。
現在4種の香りを提案中。
クリエイター自身による説明はこちらから。
https://note.com/yuta_watanabe/n/nde19695b62ab
もう一つは、《LIBERTA PERFUME》。
イタリア語で「自由」は、la libertà であるから、きっと「自由」の新たな解釈に出会えるのだろうと期待し、その明確なヴィジュアルメッセージを持つパッケージデザインの無駄のない洗練美にまずは魅了された。
他ならぬ自分のために香りを選べるように、香料や香調に詳しくない人でもわかりやすい具体的な写真と文での説明を提示。個々の私的な思い出や想像と結びつける自由な感受の邪魔にならない、必要最低限のガイドとなっている。
さまざまな香水を幼少期から嗜み、香りの魅力を伝える仕事にも30年近く関わってきた私が、自由な心で出会えたブランドであり、改めて香りを洗練させる大切さを考えるきっかけをいただいた。
ブランドサイトはこちらから。
…écrit par 《SAWAROMA》
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