イチジクの香りは複雑で、私には殊の外魅力的である。その実は甘いというよりミルキィ、フルーティーというよりもナッティーなまろやかさというべきか。どこか捉えどころのない、ゆえに何度も味わいたくなる奥深さをもつ。
そんな実をつける木そのものも、あの大きな手のひらのような葉とともに、さぞかし素敵な匂いを漂わせるのだろう。やや動物的な植物だ。イチジクの実がついた木の近くを通ると、実だけでは感じられない清涼感と温もりの調和に癒される。
ディプティックの香りの中で、最初に心魅かれたのがこのフィロシコスだった。
フィロシコス/ディプティック日本公式サイトより
https://www.diptyqueparis.com/ja_jp/c/philosykos-collection.html
私のイチジクへの印象と自然に重なりながらも、日常的に身にまとう香りとしても柔らかなバランスをもった抽象性が感じられ、まずはオードトワレから愛用した。
今回は、同じくこの香りの愛好者である家人の誕生日に合わせてオードパルファンを入手。サンプルで試して実感したとおり、イチジクという植物のみずみずしさからまろやかさまで、より深く楽しむことができそうな香り立ちが嬉しい。
…écrit par 《SAWAROMA》
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