2013年10月20日日曜日
キアラ・マストロヤンニからヴァンサン・ランドンへの回想
18日の記事「Fendi L'Acquarossa・生命力と揺るぎない芯を秘めた赤」で注目したフランスの女優、キアラ・マストロヤンニ。
彼女の母はカトリーヌ・ドヌーヴ、父はマルチェロ・マストロヤンニ。
確かにその風貌、佇まいは二人を受け継いでいる。
内に秘めたような情熱の魅力。
現在41才という年齢を迎えて輝く彼女を2013年の今
Fendiが赤をテーマとしたフレグランスのミューズとした。
納得。そして嬉しい。
Fendi以外にも
キアラ・マストロヤンニの写真を
2013カンヌ国際映画祭の記事で見かけていた。
鮮やかな薔薇色の衣装。
写真の中で隣にいる男性は
フランスの名優(と私は思っている)、ヴァンサン・ランドン。
この二人、フランスで今夏公開されたばかりの映画『Les Salauds』
(英題『Basters』)で熱く共演している。
この映画については、東京国際映画祭プログラムディレクターの矢田部吉彦氏によるブログ(2013,5,22)の中で少し触れられている。日本で公開されるかどうかはわからない。
ヴァンサン・ランドン。
私は20代の頃、彼が初めて主演した映画『L'Etudiante』(1988 クロード・ピノトー監督)を観てその表情の豊かさに驚いた。
この人の眼差しや表情は、時に深いフランス語の台詞を見事に体現していたし
当時28才の彼が、少年のようなひたむきさと成熟した大人の優しさを香らせていたことも記憶に残っていた。
ゆるいようでありながら熱い情熱と行動力を秘めた
素敵なミュージシャンを演じた彼は
もう一人の主役、当時絶大な人気者であった22才のソフィー・マルソーに比べ
話題にする人は少なかったが、私は彼のほうに魅かれた。
彼はこの映画で
有望な若手男優に授与されるジャン・ギャバン賞を受賞。
50才を過ぎた現在も次々と話題作に出演している。
映画『L'Etudiante』の中でヴァンサン・ランドン演じる音楽家が
恋に落ちる瞬間に着ていたのは真っ白な雪に映える真っ赤なスキーウェア。
音楽機材に囲まれた自室で彼女を迎えるベッドも
彼女に会うためにパリの街並からフランスの高速を走らせる愛車も赤。
80年代後半ならではの音楽とファッションの中で
教員資格試験を控えた生真面目な大学生役のソフィーが好んで着るネイビーブルーとは対照的に彼が使う赤は引き立っていた。
赤を上手く生かす大人は素敵。
キアラ・マストロヤンニから
ヴァンサン・ランドンへの回想から改めて思う。
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