2023年10月21日土曜日

TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO が提供する3つのシーンに描かれる香りの インスタレーション/DESIGNART TOKYO 2023 




心地良い空間には

清浄な空気が必須である。

その中に、

ふと気がつくと

なんともいえない安心感や

繊細な優雅さが

見えない香りの余韻として

幻のように漂う一瞬を

感じることができれば

幸せな時間となるだろう。



アロマ調香デザイナー、

齋藤智子さん主宰の

TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO

が、デザイン&アートフェスティバル

DESIGNART TOKYO 2023 

へ出展されるにあたり

1020日のレセプションのお招きを受け

齋藤さんのプレゼンテーションと

トークセッションを拝聴した。



(プレゼンテーションされる齋藤智子さん)




(齋藤さんのトークのお相手は

アートディレクターの川上シュンさん)



東京で暮らす「わたし」の1日を描く

香りのインスタレーション。


そのテーマは

24/7/365」香る、暮らす

……


描かれた3シーンは

二人の朝×リビングルーム、

皆と過ごすダイニングルーム、

一人まどろむベッドルーム。






会場の1階から3階へ

齋藤さんのガイドに従い

それぞれの

視覚的インテリアデザインと共に

ほのかに漂う香りを体感した。



3つの香りの軸となるのは

TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO

を象徴する日本の5つの木の香り

………

No.1  熊野檜(和歌山)

No.2  北山杉(京都)

No.3  土佐柚子(高知)

No.4  芳樟(鹿児島)

No.5  椴松(北海道)


会場となる

è interiors(エ インテリアズ)
(11:00-18:00  水曜日曜休)
1階には

TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO

によるプロダクトも展示されている。



インスタレーションの展示期間は

1028日迄。

多くの方々が実際に

3つの空間でそれぞれの香りを

体感されますように。





…écrit par SAWAROMA






2023年10月7日土曜日

五感に響く匂いの調べ・涼感から温もりへ導く藤袴の面影〜Mame Kurogouchi のEAU DE PARFUM




思いがけず出逢えた

宝物のような記憶に

再会した喜びは深い。


藤袴(フジバカマ)。

昨秋、その涼しげな佇まいに魅かれ

花屋で入手、共に暮らして数日後、

思いがけず漂った甘い匂い。

茎と葉もそのまま乾燥させて

寝室のベッドサイドに。

よく眠れたことを思い起こす。



ファッションブランド

Mame Kurogouchi

がブランド初のフレグランスを

藤袴の天然香料を活かして製作中

であると知ったのは今年の春頃のこと。

春なのに,秋が待ち遠しかった。


10月を迎え、発売日の5日。

私は早速青山店で

その「匂い」を体感する。


ムエットだけでなく

手首の皮膚に

直接スプレーしていただく。




最初は

柔らかいながらも静かな

アルコールの感触と共に

緑や樹々の青さが

すぅーんと涼やかに

目と鼻を刺激する。


しばらくすると

皮膚がほんのり温まるような

感覚に包まれる。

奥ゆかしい墨のような

あるいは

土の温もりのような

静かなオーラを感じていく。


ふと気がつくと

あの懐かしくも優雅な余韻、

極めてほのかながら

まぎれもなく藤袴の

優しい甘さが流れてくる。


このような匂いのフレグランスを

私は初めて体感した。


天然香料のみでつくられたものは

フレグランスとしての余韻の深さを

感じにくいものが多かったが

この新作は

藤袴の独特な個性により

複雑な立体感を醸し出している。



ただし、

この匂いの真の魅力は

紙に付けただけでは

決してわからない。

服同様、人肌に纏ってこそ

真価を発揮する。


温もりも

ほのかな甘さも

うっすらと続く艶かしさも

皮膚に纏い,動き、

数時間を共にすることで

その人の匂いの一部となり

その人の存在と共に

極めて繊細な香りとなる。





有田焼の黒ボトル、

その金色のスプレー部分も

いつしか藤袴の余韻に包まれていた。







LICHEN × Mame Kurogouchi EAU DE PARFUM



LICHEN × Mame Kurogouchi CANDLE L



この香りに出逢えた機会に

黒の醸し出す

奥ゆかしさや艶かしさを

改めて考えてみたくなった。






…écrit par SAWAROMA